変動金利と固定金利。
住宅ローンについて考えるときには避けられない選択です。
「実際、どっちがいいのか?」「そもそもどういうこと?」
今回は、住宅ローンにおける変動金利と固定金利について、徹底解説していきます!
今回のポイント ・変動金利=金利が上下する 固定金利=景気にかかわらず、金利は一定 ・変動金利:お金に余裕がある人向け 固定金利:手堅く、確実に返済したい人向け
金利とは?
まず、金利について簡単に説明していきます。
金利とは、お金を貸し借りしたときにつく利子(利息)の、元本に対する割合のことです。
例えば、あなたが10万円を借りたとして、支払わなければならない利子が1万円ついたとします。
このときの金利は、10万円の元本に対する1万円の割合なので、10%です。
なので、お金を借りた人は、金利が高ければ高いほど、より多くの利子を支払わなくてはいけなくなるということです。
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変動金利・固定金利とは?
それでは、変動金利・固定金利の違いについて解説していきます。
変動金利とは、景気(インフレ・デフレ)によって変動する金利、固定金利は景気が動いたとしても変動しない金利です。
金利とは本来、インフレになれば上昇、デフレに入ると下落します。
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インフレ・デフレとは?どっちがいい?仕組みと影響をわかりやすく解説
住宅ローンに変動金利を適用した場合、本来ある通り、インフレになれば金利は上昇し、デフレになれば金利は下落します。
具体的には、変動金利では半年に一回、金利の見直しが行われ、そこで景気の状況が金利に反映されます。
一方、固定金利を適用した場合、インフレ・デフレにかかわらず、もともと決めていた金利のまま変わりません。
これが、変動金利と固定金利の違いです。
変動金利と固定金利のメリット・デメリット
それでは、わたしたちにとって変動金利と固定金利ではどちらのほうが良いのでしょうか。
まずは、それぞれのメリット・デメリットを表にまとめました。
変動金利 | 固定金利 | |
メリット | ・デフレ時に金利が下がる | ・インフレが起きても、金利は上昇しない |
デメリット | ・インフレ時に金利が上昇する | ・もともとの金利が高い ・デフレになっても金利が下がらない |
変動金利のメリット・デメリット
変動金利のメリットとして、デフレ時に金利が下がることがあります。
金利が下がれば、支払わなければならない利子が少なくなるので、わたしたちにとって良いです。
しかし、デメリットはインフレ時に金利が上がることです。
固定金利のメリット・デメリット
固定金利のメリットは、インフレ時に金利が上がらないことです。
変動金利であれば金利があがるので、インフレ時には変動金利よりも支払う利子が少なくなることがあります。
また、金利が変化しないことから、インフレ時に過度に金利が上昇するといった最悪のリスクを防ぐことが出来ます。
しかしデメリットとして、固定金利はもともと変動金利に比べて高めに設定されることが多いので、変動金利よりも金利が高い状態にあることが多いです。
また、デフレになっても金利は下がりません。
固定金利の種類
さらに、固定金利には種類があります。
一つ目は、期間選択型固定金利です。
これは、最初の一定期間は固定金利を選んで、その後は変動金利か固定金利を選ぶことができます。
「最初からいきなり変動金利を選ぶのは怖い」という方にはおすすめです。
二つ目は、全期間固定金利です。
その名の通り、返済期間のすべてで固定金利を選ぶことです。
「リスクを負いたくない」という人にはおすすめです。
変動金利・固定金利はどんな人に向いている?
それでは、具体的に変動金利・固定金利はどんな人に向いているのでしょうか。
変動金利 | 固定金利 | |
お金の余裕 | お金(収入)に余裕がある人 | お金(収入)に余裕がない人 |
返済期間 | 返済期間が短い人 | 返済期間が長い人 |
変動金利に向いている人
変動金利に向いている人は、お金に余裕がある人です。
変動金利は固定金利よりも低めに設定されることが多いです。
しかし、変動金利を選んでしまうと、インフレが進みすぎてしまったときに多額の利子を支払わなければならなくなるリスクがあります
そのため、生活にあまり余裕のない人にはこのリスクが大きいのです。
変動金利に向いている人は、インフレ時に金利が上がるというリスクを負えるくらい金銭的に余裕のある人です。
また、返済期間が長ければ長いほど、金利は高くなっていく傾向があります。
そのため、返済期間が短めの人は、変動金利を選んでもいいのかもしれません。
固定金利に向いている人
固定金利に向いている人は、変動金利とは逆で、手堅く返済したい人・リスクを負いたくない人です。
固定金利は、基本的に変動金利よりも高く設定されます。
しかし、変動金利ではインフレ時に過度に金利が上昇してしまうリスクもあります。
金利を高めにしておく代わりにリスクを負いたくない人は、固定金利に向いています。
また、先ほども言った通り、返済期間が長ければ長いほど、どんどん金利は高くなる傾向があります。
そのため、返済期間が長い場合は、固定金利を選ぶのがいいのかもしれません。
これからはどっちの方が良いのか
ここまでは、一般的なことについて説明してきました。
しかしながら、これからのことを考えると、どちらの方が良いのでしょうか
巷では、「変動金利はこれ以上あがらない」という意見もちらほら見受けられますが、そのような保証はありません。
物価が上がり続ければ、インフレを抑制するために住宅ローンの金利は上げられます。
しかしながら、日本の人口はどんどん減ってきており、需要が減ってきているため、お金の消費が増えず、金利が上がりにくい時代であることは確かです。
それに加えて、銀行間での競争があるため、インフレが進んだとしても金利はそう簡単に上がらない可能性もあります。
そのため、今後すぐに変動金利が上がる可能性は低いとみられます。
また、固定金利も上昇傾向にあるというのも事実です。
そのため、多少経済的に余裕があるのであれば、変動金利を選んでも良いものと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。変動金利と固定金利について解説しました。
変動金利と固定金利の将来的な状況は、現時点では断言できません。
そのため、変動金利を選ぶのであれば、こまめに金利の状況を確認することが重要です。
どちらの金利にもメリット・デメリットがあるので、選ぶときにはリスクを十分に考えて選ぶといいでしょう。
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