【投資】円建てとドル建てどっちがいい？初心者向けに徹底比較！

円建てとドル建て。

投資をするときに円建て資産かドル建て資産のどちらを買おうか迷うことはありませんか？

この記事では、「円建て・ドル建てってそもそも何？」「結局どっちがいいの？」

といったことについて解説していきます！

円建て投資・ドル建て投資とは？

まずは、円建て投資・ドル建て投資について説明していきます。

円建て投資とは、日本円を用いて取引される投資のことをいいます。

つまり、円建て投資では、資産を買う人は円で買い、資産を売る人は円で売らなければなりません。

円建て投資は、日本国内で行われる株などの取引のことを指します。

それに対し、ドル建て投資というのは、ドル通貨を用いて取引される投資のことをいいます。

つまり、ドル建て投資では、資産を買う人はドルで買い、資産を売る人はドルで売らなければなりません。

ドル建て投資は、日本以外の、ドルを通貨として採用している国の企業が発行する株などを、ドルで売買する場合の投資を指します。

円建て投資・ドル建て投資のメリット・デメリット

次に、円建て・ドル建てのメリット・デメリットを紹介していきます。

	メリット	デメリット
円建て	・取引がしやすい ・為替リスクがない ・手数料が低い	・利回りが低い ・大きな利益を生むのが難しい
ドル建て	・利回りが高い ・為替で大きな利益を生める ・円安対策になる	・為替リスクがある ・手数料が高い ・外貨に慣れていないと難しい

円建て投資のメリット

取引がしやすい

まず挙げられるのは、取引のしやすさでしょう。

円建てで投資を行えば、すべての取引を円で行うことが出来ます。

そのため、日本でしか住んだことがない人にとって、他の通貨を使わずに慣れ親しんだ円で投資が出来ることはかなり便利になるでしょう。

為替リスクがない

二つ目は、外国為替によって生じるリスクがないことです。

外国為替というのは、分かりやすく言えば「直接現金の輸送をせずに、異国間の通貨を交換すること」です。例えば、海外旅行に行ったとき、日本円をその国の通貨に交換してお金を使いますよね。そのことです。

そして、円と外国通貨(米ドルなど)の交換比率のことを為替相場といいます。交換比率とは、例えば１円＝100ドルといったように、「１円で何ドル、もしくは１ドルで何円に交換できるのか」を表す比率です。この比率(為替相場)は変動します。

そして、この為替相場の変動が、リスクとなるのです。

外国株を売買する場合、日本円をその国の通貨に変えて外国株を買ったり、また外国株を売って得たお金を日本円に交換する必要があります。その際、為替相場の状況によって手元に残るお金の量が変わるのです。

例えば、1株の時価が10ドルの外国株を10株売ったときに手元に残るのは「10ドル×10株＝100ドル」です。このとき、この100ドルを日本円に交換するとき、為替相場が「1ドル＝120円」であれば、日本円で「100ドル×120円＝12,000円」が手に入ります。

しかし、もし「1ドル＝90円」であれば、日本円で「100ドル×90円＝9,000円」しか手に入りません。

これは、外国株を買うために日本円をドルに交換するときも同じです。

このように、為替相場の状況に応じて金額に大きな差が出てしまい、ひどければ最終的に残ったお金が投資資金よりも少額になり、結果的にマイナス収支になる可能性もあるのです。これが為替リスクです。

そして、円建て投資ではこの外国為替をする必要がないため、このような複雑なリスクに悩まされることはありません。

手数料が低い

三つ目は、手数料です。

ドル建てで投資をする際、ドルを円に換えたり円をドルに換えたりする(為替)時に、為替手数料という形で手数料が取られます。

また、ドル建ての金融商品(株など)を売買するときも、高い手数料が必要となります。

しかし、円建て投資の場合、為替手数料はなく、また売買時に必要になる手数料も、ドル建て投資に比べて比較的低い傾向にあります。

円建て投資のデメリット

利回りが低い

円建て投資のデメリットといえば、やはり利回りの低さでしょう。

株を買ってそれを売らずに保有している間、発行体である企業から毎年配当金というお金をもらうことが出来ます。

そして、この配当金の金額は、株を発行している企業によって変わります。

その際に、”配当金がどれくらいもらえるのか”を表すものが、利回りなのです。

利回りは、その株の株価(株のその時点での値段)の何%分が配当金となるかを示します。

例えば、あなたが時価が1000円(その時点での一株の値段が1000円)の株を10株持っているとします。

この時の、その株の利回りが１％だとします。

この場合、あなたが保有している株の全部の値段(＝1000円の株×10株＝1万円)の１％の金額(＝1万円×１％(0.01)=100円)が、毎年もらえるということなのです。

そして、この利回りは、円建ての方がドル建てよりも低い傾向にあるのです。

大きな利益を得るのが難しい

ドル建て投資の場合、通常の売却益に加えて、為替によって大きな利益を生むことが出来ます。(下記で詳しく説明します！)

しかし、円建て投資の場合、売却益だけで大きな利益を生むためには大きな金額を投資に回さなければなく、それに伴ってリスクも大きくなります。

ドル建て投資のメリット

続いて、ドル建て投資のメリットを紹介していきます。

利回りが高い

先ほども言った通り、ドル建ての株を買った方が円建てよりも利回りが高いことが多いです。

そのため、ドル建ての株を買った方が、より大きな配当金を得ることが出来ます。

為替で大きな利益を得られる

先ほど、円建て投資のメリットの説明時に、円建て投資では為替リスクがないことがメリットである、と解説しました。

確かに、通貨を円とドルで交換することにはリスクがありますが、反対にこれが大きな利益を生むこともあるのです。

例えば、一株1000円の円建て株を10株買ったとします。そして、一年後の株価が一株1200円だったとします。この時に株を売った場合、株を売ったときに得られる売却益(売って得たお金ー買うのにかかった費用)は12,000円(1200円×10株)ー10,000(1000円×10株)＝2000円です。

一方、1ドル＝100円のときに、一株100ドルのドル建て株を10株買ったとします。この時、株を買うのにかかったお金は、円建ての場合と同じ10,000円です。

そして、一年後の株価が一株120ドルだったとしましょう。それに加えて、この時の為替レートが1ドル＝120円になってたとします。

そうすると、売却益はドルで同じように200ドル(120ドル×10株ー100ドル×10株)ですが、これを円に交換するとき、1ドル＝120円になっているため、円に直すと2400円(200ドル×120円)となるのです。

このように、為替によって円建てのときよりもより大きな利益を生むこともできるのです。

インフレ対策になる

景気がインフレに向かうと、物価が高くなります。

物価が高くなるということは、モノの値段が上がり、モノを買うのにより多くのお金が必要になるということです。

そして、インフレになると、物価が高くなるのと同時に円安に向かいます。

円安とは円の価値が下がるということで、例えばもともと1ドル＝100円(１ドルに交換するのに100円だけでいい)が、１ドル＝120円(１ドルに交換するのに120円も必要)になることです。

こうなった場合、先ほども説明した通り、ドル建て株を買っておけば、資産が増えるということです。

インフレ時には、円を持っているより、ドル建ての資産を持っている方が有利なのです。

ドル建て投資のデメリット

為替リスクがある

ドル建て投資では、為替によって大きな利益を得ることができるち説明しました。

しかし、円建て投資のメリットの項目でも説明した通り、それとは逆に損失を出してしまうこともあります。

手数料が高い

こちらも、円建て投資のメリットの項目で説明しましたが、ドル建て投資を行う際には、高額な売買手数料に加えて、為替にも手数料が取られます。

また、うまく利益を生み出せないと、利益＜手数料となってしまい、最終的に損失を被る場合もあります。

外貨に慣れていないと難しい

ドル建て投資では、円とドルの為替レートなどを常にチェックする必要があります。

そのため、ドルに慣れていなければ、レートを確認する作業を苦痛に感じてしまうかもしれません。

また、ドルの感覚に慣れていないと、「いつ売るべきなのか」を判断するのが難しい可能性もあります。

円建て投資とドル建て投資、どっちがいい？

ここまで、円建て投資とドル建て投資のメリット・デメリットについて解説してきました。

しかし、結局どっちの方がいいのでしょうか。

結論として、

なるべくリスクを避けて、慣れ親しんだ円で投資をしたい→円建て投資

高いリスクは承知で、より大きな利益を得たい→ドル建て投資

ドル建ては、高いリターンが期待できるものの、それに伴ってリスクも高くなります。

どちらかを選ぶ際は、ご自身の力量をしっかり見極めてください！