「外貨建てMMFはやめた方がいい」「おすすめしない」
なぜこのように言われることが多いのでしょうか?
今回は、「そもそも外貨建てMMFとは何なのか」「外貨建てMMFのデメリットは何なのか」について解説していきたいと思います。
外貨建てMMFとは?
外貨建てMMFとは、ドルやユーロなど、外貨(海外の通貨)で取引される公社債投資信託(公社債のみを扱う投資信託)のことです。
つまり、外貨で売られている海外の企業などが発行した公社債のみを扱う投資信託ということです。
公社債とは、国や地方公共団体、一般企業が発行する債券のことです。
投資信託について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
投資信託は「やめとけ」3つの理由!【初心者】デメリット・メリットを解説
外貨建てMMFのメリット・デメリット
それでは、ここから外貨建てMMFのメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット | ・利回りが高い ・為替で大きな利益を得られる ・買うときに手数料がかからない ・解約したときに信託財産留保額が徴収されない |
デメリット | ・預金保護制度の対象外 ・元本保証がない ・為替に手数料がかかる ・為替で損失を出すリスクがある |
外貨建てMMFのメリット
利回りが高い
まず最初のメリットとして、利回りが高いことが挙げられます。
外貨建てMMFを含めた投資信託では、運用中に得た収益の大きさに応じて、投資家に分配金というお金が配られます(株でいう配当金に当たります)
投資がうまくいって、より多くの収益を得ることが出来るほど、より多くの分配金を得ることができます。
そして利回りとは、どのくらいの分配金がもらえるのかを示すもので、利回りが高ければ高いほどより多くの分配金がもらえるのですが、外貨建てMMFの利回りは、通常の投資信託に比べて高い傾向にあります。
つまり、普通の投資信託よりも多くの分配金がもらえるのです。
これが、外貨建てMMFの一つ目のメリットです。
為替で大きな利益を得られる
二つ目のメリットは、為替で大きなメリットが得られることです。
外貨建てMMFでは、円以外の通貨(ドルやユーロ)で売買するため、外貨建てMMFを買うときはまず円を外貨に換える必要があります。これを為替といいます。
そして、1円で何ドル(ユーロ)に換えることができるのかは、為替レートで決まります。
為替レートとは、例えば「1円=100ドル」「1円=120ドル」という風に、円とドルの交換比率を表すものです。
円を外貨(ドルなど)に換えるときに見る為替レートはTTSレートといって、「1円で何ドルに換えられるか(1円=○○ドル)」を表します。
円をドルに換える場合、例えば「1円=100ドル(1円で100がもらえる)」よりも「1円=120ドル(1円で120ドルがもらえる)」のときに換金する方が良いですよね(円安のとき)。
このとき、もし仮に為替レートが普段は「1円=100ドル」あたりなのが、あるときたまたま「1円=200ドル」になっていたときに円をドルに換えて外貨建てMMFを買えば、いつもよりも少ないお金で買うことができます。
また、これは外貨を円で戻すときも一緒です。
外貨建てMMFでもらえる分配金はもちろん外貨なので、私たちが日常で使うには円に換える必要があります。
このときは、円を外貨に換えるときとは逆に、TTBレート「1ドルで何円に換えられるか(1ドル=○○円)を表す」を見ます。
このときも、円をドルに換えるときと同様に、1ドルでより多くの円に換えられた方が良いですよね。
例えば、為替レートが普段「1ドル=100円」あたりなのが、あるときたまたま「1ドル=200円」になっていたとき(円高のとき)に、分配金などで得たお金を円に換えれば、いつもよりも多くの利益を得ることができます。
これが、2つ目のメリットです。
買うときに手数料がかからない
3つ目のメリットは、買うときに手数料がかからないことです。
普通の投資信託を買うときには、購入時手数料という手数料を支払わなければいけません。
しかし、外貨建てMMFを買うときにはそれがありません。
解約したときに信託財産留保額が徴収されない
そして最後のメリットは、解約したときに信託財産留保額が徴収されないことです。
外貨建てMMFを含め、投資信託には解約という仕組みがあります。
解約とは、株でいう売却のようなもので、運用の途中で投資信託を売ることです。
この解約時に、投資家はお金(償還金)をもらえるのですが、それと同時に信託財産留保額という費用を支払う必要があるのです。(正確には、自分の財産の何パーセント分が信託財産留保額として引かれて、償還金が渡されます)
つまり、最終的に手元に残るのは償還金ー信託財産留保額の金額となるのです。
しかし、外貨建てMMFでは信託財産留保額が徴収されません。
つまり、売った時には償還金のすべてを受け取ることが出来るのです。
ちなみに、投資信託には期限が決められているものと期限が決められていないものがあり、期限が決められている場合はでは、期限になると自動的に償還金が手に入ります(この場合にも信託財産留保額を支払う必要があります)。
また、投資信託を売る方法には解約請求と買取請求があり、買取請求の場合は、販売会社(投資信託の販売を行う会社)に、自分のものを買い取ってもらいます。
外貨建てMMFのデメリット
預金保護が限られる
一つ目のデメリットは、預金保護が限られることです。
投資信託では、日本投資者保護基金という団体が「証券会社で投資信託(外貨建てMMFを含む)を買った場合、もし仮にその証券会社が破綻しても、1人1000万円まで返金」することを保障しています。
しかし、これはあくまで証券会社で投資信託を買った場合にのみ適応されるものであって、銀行などそれ以外の機関で買った投資信託には適応されません。
※投資信託では、複数の金融機関(投資信託委託会社(=投資信託の運用をする機関)や投資信託会社(投資家から預かったお金などを管理する会社)、販売会社(銀行や証券会社など、投資信託を販売する機関))が関わっているため、どれか1つの機関が破綻しても投資家に影響は出ません。
元本保証がない
元本保証とは、投資で損失を出してしまっても、最初に投資にかけたお金は返金されるという制度です。
日本投資家保護基金は、金融機関が破綻した場合に、1000万円まで補償する機関です。
しかし、金融機関が破綻しなくても、投資自体が失敗すれば、損失を出す可能性もあります。
しかし、投資信託には元本保証がないため、それだけ運用に失敗しても、1円も返ってきません。
すべて自己責任なのです。
為替に手数料がかかる
外貨建てMMFでは、外貨で公社債を売買するため、外貨建てMMFを買ったり売ったりするときに、円と外貨を換金(為替)する必要があります。
そして、この為替には手数料がかかるのです。
そのため、為替をする際は手数料をしっかりと確認し、出来るだけ為替の回数を少なくする必要があります。
為替で損失を出すリスクがある
そして最後に、為替で損失を出すリスクです。
外貨建てMMFのメリットで、為替で利益を出せると説明しました。
しかし、これは逆に為替で損失を出す可能性もあるのです。
為替するタイミングを間違えてしまうと、思った以上に少ない金額に換金される場合もあるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は外貨建てMMFが「やめとけ」と言われる理由からメリットまで解説しました。
皆さんも外貨建てMMFの購入を検討される際は、ぜひこの記事を参考にしてみてください!
コメント