FIREのコアサテライト戦略とは何なのか。
具体的な内容と実践方法を初心者向けにわかりやすく解説します。
FIREとは
まずは、そもそもFIREとは何なのかということについて解説していきます。
FIREというのは、「早期リタイア」「経済的自立」を意味する言葉です。
具体的に説明すると、若いうちに働いて稼いで貯金したお金を元本として、株などの資産運用で得られる利益(配当金や売却益)をもとに生活していくという生き方のことです。
ですが、FIREにも様々な種類があり一概に説明することは出来ないので、詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
コアサテライト戦略とは
それでは次に、コアサテライト戦略について解説していきます。
コアサテライト戦略というのは、簡単に言えば、ハイリスク・ハイリターンな資産での運用を増やすことにより、より高い運用成果を目指すという方法です。
FIREをする場合、一般的には投資信託の*インデックス運用といったように、比較的リスクが低い投資をすることで、着実に利益を受け取って資産を増やしていきます。
ですが、よりリスクが高く受け取れるリターンも大きい資産にも投資をすることで、より大きな利益を得ることを狙うことも出来ます。
これが、いわゆるFIREにおけるコアサテライト戦略というものです。
コアサテライト戦略においては、投資する対象をコア資産とサテライト資産に分類します。
コア資産とは、比較的リスクが低い金融資産のことであり、例えばインデックス商品といったような一般的にFIREにおいて資産運用を行う上で中心となる資産のことです。
サテライト資産とは、比較的リスクが大きい資産のことであり、主に個別株などが挙げられます。(以下で紹介)
FIREにおけるコアサテライト戦略では、一般的なコア資産に加えて、リスクが高いサテライト資産にも投資をすることで、より大きな利益を出すことを目指すのです。
このコアサテライト戦略を実行するのは、主にリスクが大きくなることに対して抵抗がない人であり、出来るだけリスクを減らして安全に資産運用をしたい人にはおすすめ出来ません。
コア資産の具体例
では、FIREに向けて資産運用をする上で一般的な投資対象であるコア資産の具体的な例を紹介していきます。
米国株インデックス
まずは、米国株インデックスです。
米国株インデックスとは、一言で表すと米国株のみを取り扱うインデックス運用方式の投資信託のことです。
順番に説明していきます。
まず、米国株というのは、その名の通り米国(アメリカ)の企業が発行する株を総称したものです。
米国株は、一般的に他の国よりも配当金が高い傾向にあります。
次に、投資信託です。
投資信託というのは、簡単に言えば多数の投資家からお金を集めて、それを専門の会社(投資信託委託会社など)が投資に回して、得られた収益をそれぞれの投資家に配るという、いうなれば投資の商品なのです。
形としては、投資家(あなた)は自分が投資したい投資信託の銘柄(種類)を選び、その投資信託で選ばれている株や債券を実際に売買したりするのを専門の会社に任せる、という形です。
投資信託にはたくさんの商品があり、それぞれによって投資信託の中身(どの株に投資するのかなど)が変わります。
投資信託では、実際に株などの売買を行うのはプロに任せるため、初心者にも始めやすく、また売買に失敗してしまうリスクも小さい投資となっています。
投資信託について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
投資信託は「やめとけ」3つの理由!【初心者】デメリット・メリットを解説
最後に、インデックス運用です。
インデックス運用というのは、投資信託の運用方法の1つであり、株価指数と同じ組み合わせで投資信託を買うという方法です。
株価指数というのは、簡単に言えば様々な株価の平均値のことであり、株価の全体的な動きを見るために使われます。
様々な株価の平均値であるため、価格が高い株や価格が低い株など全般的な株で構成されています。
また株価指数の種類によって、どの株価の平均値なのか、またどのように平均値を導き出すのかが変わります。
投資信託では、様々な株や債券を少しづつ買うのですが、インデックス運用ではその株や債券の組み合わせを株価指数と同じにすることで、高リスクな株を集中して買うことを防ぎます。
こうすることで、株価指数のような平均的な運用をすることが出来ます。
すなわち、米国株インデックスとは、米国株の低リスクな運用方法なのです。
米国株インデックスとFIREについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
【FIRE】4%ルールには米国株インデックス!おすすめな理由は?
全世界株インデックス
続いて、全世界株インデックスです。
全世界株インデックスとは、一言で表すと世界中の株を取り扱ったインデックス運用方式の投資信託です。
投資信託とインデックス運用については、米国株インデックスの解説の際に説明したためここでは省略します。
投資信託での「全世界株」というのは、世界中の企業が発行する株を少額づつ組み込んだ投資信託のことです。
先ほど紹介した米国株の投資信託では、投資信託で組み込まれる資産のすべてが米国株で統一されていたのに対し、全世界株の投資信託では、世界中の様々な国の株に分散して投資をするというものです。
世界中の国の株に分散して投資することで、ある国の株の価格が下落したとしてもその損失を小さくすることが出来ることから、米国株インデックスの場合よりもリスクが小さいです。
全世界株も、米国株と同じようにFIREに向けた資産運用で人気の資産となっています。
ETF
ETFとは、上場株式のみを対象とした投資信託のことです。
そのためETFでは株以外の資産(債券や不動産など)に投資をすることが出来ません。
しかし、米国株インデックスや全世界株インデックスの場合も、ほとんどまたは全てを株式に投資します。
そのため一見すると、通常の投資信託とあまり違いがないように思われますが、一番の違いは収益の扱い方です。
投資信託の場合、運用で得られた収益は自動的に再投資をする場合が多いです。
再投資というのは、運用で得られた収益を使ってまた別の資産を買う(=複利効果)という仕組みです。
こうすることで、より多くの利益を期待することが出来ます。
一方、ETFで得られた収益は再投資せずにそのまま分配金という形で投資家の手元に残します。
こうすることで、投資家は投資信託の場合よりも短期間で現金を手に入れることが出来るのです。
しかしその一方で、投資信託よりも利益が小さくなる可能性があります。
その他にも、信託報酬や取引時間などに投資信託と違いがありますが、やはり複利の面からも投資信託の方が人気に思えます。
サテライト資産の具体例
続いては、サテライト資産の具体的な例を紹介していきます。
個別株
サテライト資産の中でも最もオーソドックスな資産は、個別株でしょう。
個別株というのは、言ってしまえば普通の株です。
さきほど紹介した投資信託は、様々な銘柄の株を少額づつ買って、実際の運用をプロに任せるというものでした。
一方で個別株の場合は、自分で好きな株を好きな金額だけ買い、また実際にいつ買ったり売ったりするのかも自分自身で決めます。
そのため、個別で株を買う場合は、投資信託よりも運用に失敗する可能性が高いため、サテライト資産に分類しています。
一般的に、FIREに向けた資産運用でインデックス運用がおすすめされるのはこのためです。
しかし、多少のリスクは気にしない!という思いからコアサテライト戦略を取りたい人は、個別株を買うといいでしょう。
アクティブ運用の投資信託
投資信託におけるアクティブ運用は、株価指数を上回る成果を目指す運用方法です。
先ほどまで解説をしていたインデックス運用では、株価指数と同じ組み合わせで投資信託を組むことにより、株価指数と連動した平均的な運用をするというものでした。
一方でアクティブ運用では、ファンドマネジャーと呼ばれるプロが、株価指数のような平均的な株価の動きを上回るように株の銘柄(種類)を選定します。
こうすることで、インデックス運用よりもより高い利益が期待できる一方で、リスクも高くなります。
また、アクティブ運用ではインデックス運用よりも手数料が高いことが多いです。
そのため、アクティブ運用の投資信託はサテライト資産に分類されるでしょう。
注意:目標に応じてコア資産・サテライト資産は変わる
いかがでしたでしょうか。
コアサテライト戦略によって、コア資産で着実に資産を増やしつつリスクの高いサテライト資産にも投資をすることが出来ます。
ですが、ここで注意点を挙げるとすれば、コア資産・サテライト資産は目標によって変わるということです。
今回取り上げた場合だと、FIREをするという目標におけるコアサテライト戦略でした。
そのため、コア資産とはいっても着実に利益を上げる必要があるため、ここでは米国株インデックス・全世界株インデックスをコア資産として取り上げました。
しかし、仮に“FIREをするレベルではなく、趣味程度に資産運用をする”ことが目標である場合、コア資産にはさらにリスクの低い債券の方が良いと思います。
そのため、あくまでもこの記事はFIREをすることを目標とした人に向けたものであるということに注意してください!
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