FIREに向けた資産運用についての記事を見かけることはよくあります。
しかし、いざFIREをした後の資産運用はどのようにすれば良いのでしょうか。
わかりやすく解説していきます!
FIREとは
FIREというのは、「早期リタイア」「経済的自立」を意味する言葉です。
具体的に説明すると、若いうちに働いて稼いで貯金したお金を元本として、株などの資産運用で得られる利益(配当金や売却益)をもとに生活していくという生き方のことです。
ですが、FIREにも様々な種類があり一概に説明することは出来ないので、詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
FIREをした後の資産運用の方針
それでは、FIRE後の資産運用の具体的な方針について解説していきます。
基本的には4%ルールに基づいて行う
そもそも、FIREに向けた資産運用は4%ルールに基づいて行うことが多いです。
4%ルールというのは、資産運用額の4%以内の金額で一年間を生活することで、運用する資産額を減らすことなく生活していける、という理論です。
アメリカ企業が発行する一般的な株(米国株)の価格(株価)の上昇率がおよそ7%であり、アメリカの物価上昇率が3%ほどであるとされています。
そのため、仮に資産のすべてを米国株で運用していた場合、物価上昇率を考慮すると年間で資産が資産運用額の4%(7%ー3%=4%)分増えるという風になります。
そのため、この年間で得られる米国株からの収益(=資産運用額の4%分の金額)だけで1年間を生活することで、元手の資産を減らすことなく生活していくことが出来るのです。
これが、4%ルールと呼ばれるものです。
4%ルールについてもっと詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
【FIRE】4%ルールには米国株インデックス!おすすめな理由は?
FIREにおいて、この4%ルールに則って資産運用を行うことが多いのです。
FIREをして時間が経過したら元本を取り崩していく
しかし、仮にこの4%ルールが順調に進んだとすると、元手の資産をほとんど減らすことなく人生を終えることになります。
もし、FIREをした本人に資産を相続させる家族がいるのであれば、問題はないのかもしれません。
ですが、自分の資産を相続させたい人がいない場合、その資産は無駄となってしまいます。
その場合は、自分が死亡する前に資産を使い切ってしまう方が断然良いでしょう。
そのため、FIREをした後は4%ルールに基づいて資産運用額の4%の生活費で生活しつつ、人生の終盤になってきたら運用資産そのものも切り崩していくことになるのです。
FIREをした後におすすめの資産
先ほども説明した通り、FIREをしてからある程度時間が経過すると運用資産の元本部分も取り崩して生活していくことになります。
この段階になると、毎年の生活費は、資産の4%分の収益+取り崩した資産の金額分となります。
この場合、運用資産の4%分の配当金のみで生活していた頃と比べて金銭的に余裕が生まれます。
そのため、資産運用で得られる収益の金額が多少少なくなったとしても問題はないということです。
なので、高い配当金を得られる代わりにリスクが高めの米国株での資産運用から、受け取れる利益は少なくなるもののリスクが低い資産での運用にシフトチェンジしていくことも可能なのです。
その方が、資産運用に失敗して今後の生活費が一気に少なくなってしまう可能性を減らすことが出来ます。
ここからは、FIREをしてある程度落ち着いてきた段階でおすすめの資産を紹介していきます。
債券
まずは、債券です。
債券というのは、国や企業が発行する有価証券で、保有している期間に利息が付きます。
債券には、国が発行している国債と、一般の企業が発行する社債があります。
一般的に、債券の方が米国株をはじめとした株式よりもリスクが低いとされています。
その理由の1つ目として、債券は額面金額で償還されるという点です。
株式を購入した場合、現金化する際には自分の好きなタイミングで売却するのですが、その際、株をその時点での株価(株の時価)で売却することになります。
そのため、もし売却するタイミングでその株の株価が下落していた場合、購入したときよりも低い金額で売ってしまう可能性があるのです。
一方で、債券を購入する際にはあらかじめ満期(その債券を保有する期間)と額面金額(債券に記された金額)が決められています。
債券の場合、満期まで保有すると必ず額面金額で売却することになります。(満期が来る前に売却したい場合は時価で売却します)
そのため、債券の場合は、満期まで保有していれば現金化するときに株式のように元本割れを起こすことがなく、確実に額面金額を手に入れることが出来るのです。
このことから、債券は他の金融資産よりもリスクが低いとされています。
理由の2つ目は、国債の場合はデフォルトリスクが小さいということです。
デフォルトリスクとは、有価証券(株や債券など)の発行体が*破綻し、破綻した発行体の有価証券を売却出来なくなってしまうリスクです。
株式の場合、発行体は一般企業のため、もしその企業が破綻してしまえばその企業の株を売却して現金化することが出来なくなるため、その場合大きな損失を出してしまいます。
その一方で、国債は国が発行体となっています。
そして、国が破綻してしまうリスクは限りなく小さいため、国債を現金化出来なくなってしまうリスクは非常に小さいのです。
このため、FIREをして落ち着いたら国債・社債での資産運用にシフトチェンジしていくこともおすすめされます。
公社債投資信託
公社債投資信託というのは、株式を一切組み込まずに、公社債が中心となって組み込まれた投資信託のことです。
投資信託というのは、簡単に言えば多数の投資家からお金を集めて、それを専門の会社(投資信託委託会社など)が投資に回して、得られた収益をそれぞれの投資家に配るという、いうなれば投資の商品なのです。
形としては、投資家(あなた)は自分が投資したい投資信託の銘柄(種類)を選び、その投資信託で選ばれている株や債券を実際に売買したりするのを専門の会社に任せる、という形です。
投資信託にはたくさんの商品があり、それぞれによって投資信託の中身(どの株に投資するのかなど)が変わります。
投資信託の仕組みについて詳しく知りたい方はこちらからどうそ!
投資信託は「やめとけ」3つの理由!【初心者】デメリット・メリットを解説
公社債投資信託では、投資信託の中身に株が一切なく、国債や社債などの債券が中心となってします。
また、投資信託では様々な銘柄(種類)の株や債券などの資産を少額づつ買います。
そのため、投資信託はそもそもリスクが小さい投資形式なのですが、公社債投資信託ではさらに損失を出すリスクが小さいのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
重要なことは、FIREをするまでの資産運用と、FIREをした後の資産運用では目標が違うということです。
FIREをするまでの資産運用では、出来るだけリスクを避けて効率的に資産を増やすことを目標とします。
FIREをした後の資産運用では、リスクを小さくして安全に資産運用をすることに焦点を置きます。
皆さんも、もしFIREをした場合はぜひこの記事を参考にして下さい!
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