なぜFIRE卒業をするのか?FIRE卒業は失敗しやすい?
初心者向けにわかりやすく解説します!
FIREとは
まずは、FIREについて説明します。
FIREというのは、「早期リタイア」「経済的自立」を意味する言葉です。
具体的に説明すると、若いうちに働いて稼いで貯金したお金を元本として、株などの資産運用で得られる利益(配当金や売却益)をもとに生活していくという生き方のことです。
ですが、FIREにも様々な種類があり一概に説明することは出来ないので、詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
FIRE卒業とは?
FIRE卒業というのは、一旦仕事を辞めて資産運用だけで生活していたものの、もう一度仕事を始めるなどしてFIRE生活をやめることです。
ちなみに、サイドFIREをする場合は仕事を辞めずに”仕事量を減らす“だけの場合があります。
この場合は、FIRE卒業に当てはまらない可能性もあるため、あくまでこの記事では”完全に仕事を辞める“通常のFIREを想定します。
サイドFIREについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
なぜFIRE卒業をするのか?
それでは、なぜFIRE卒業をする人がいるのでしょうか?その原因を紹介していきます。
経済的な困窮
まずは、経済的な困窮が挙げられます。
FIREをした場合、資産を株や債券などに投資をすることで利益を得て、生活していきます。
中でも、安定して大きな利益を生み出す資産として米国株があります。
米国株は、米国の企業が発行する株です。
米国の企業は、日本の企業と比べて成長率が大きく、業績を急激に伸ばしています。
そのため、米国株は日本株に比べて株価の上昇率が大きく、配当金や売却益が大きいです。
FIREでは、この米国株への投資が重要となる場合が多いです。
しかし、だからといって常に株価が上がり続けるわけはなく、株価が下がることもあります。
米国株の価格が暴落することで、資産が一気に減ってしまい、FIRE生活を続けられなくなってしまう人が多いのです。
このことは米国株だけでなく、もちろん日本株や債券などの場合にも当てはまります。
生きがい
FIRE生活をしている内に、生きがいを失ってしまう可能性もあります。
FIREをすると、築き上げてきた資産を元に生活をするため、仕事を退職します。
しかし、仕事はもともと一日の大部分を占めることです。
そのため、急に仕事を辞めてしまうと一気に空虚感を感じてしまう可能性があります。
また、仕事を通じて関係があった同僚とも日常的に会う機会が無くなってしまいます。
FIREをしてしまうことで、こういった生きがいの喪失や孤独感と戦うことになる可能性もあるのです。
退職金
中には、退職金のためにFIREを卒業する人もいます。
会社に正社員として一定期間以上勤めていた場合、退職した際に退職金を受け取ることが出来ます。
その会社に勤めている期間が長期間になるほど、受け取れる退職金の金額は高額になっていきます。
そのため、一般的に退職金は老後資金の大きな助けとなり、退職金を取り崩していくだけでなく、NISAやiDeCoを利用して安全な資産運用に回すことも出来ます。
しかし、FIREをしてしまうとこの退職金を受け取ることが出来ません。
このことから、一度FIREをしたものの資産運用がうまくいっていなかったり、今後の資産運用に対して不安に感じてしまった場合に、少しでもいいから退職金が欲しいと考える人が再就職をすることがあるのです。
保険
保険のことでFIRE卒業をする場合もあります。
日本国民は全員医療保険に加入しなければなりません。
そして、医療保険には「健康保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3つの種類があります。
企業の従業員(会社員)や役員とその*被扶養者は健康保険に加入します。
自営業者や無職者、学生、フリーランスなどは国民健康保険に加入します。
後期高齢者医療制度には、75歳以上もしくは65歳以上で障がいを持っている人が加入します。
このとき、会社員が加入する健康保険の場合、保険料は被保険者と会社で折半します。
一方、FIREをした人が加入する国民健康保険の場合、保険料は被保険者が全額負担します。
つまり、会社をやめてしまうと支払う保険料が単純計算で2倍になってしまうのです。(保険料は都道府県によって違うので、気になる方は調べてみて下さい。)
このことから、会社に勤めている方が保険料の面で得をすることが出来ます。
それに加えて、会社員の場合は雇用保険や労災保険に加入することが出来ます。
雇用保険とは、失業や再就職をしたときに給付金を受け取れる保険です。
労災保険とは、業務上でけがや病気、障害を負ったり、死亡した場合に給付金や年金を受け取れる保険です。
特に、労災保険の保険料は事業主(会社)が全額負担するため、労働者にとってありがたい保険となっています。
FIREをした場合、このような万が一のときの保障がありません。
また、会社に勤めていない人でも任意で加入できる労災保険は存在します。
しかし、そういった保険の対象となるのはあくまで職を持ったフリーランスであり、単に資産運用だけで生活している場合は加入することは出来ないでしょう。
これらのことからFIRE卒業をすることもあるのです。
年金
仕事に関わらず、日本国内に在住する20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入します。
国民年金に加入することで、保険料を納付する代わりに65歳以降年金を受け取ることが出来ます。
また、加入者が障害を持ったり死亡した場合にも、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることが出来ます。
ですが、会社に勤めていると、国民年金に加えて厚生年金に加入します。
厚生年金では、会社に勤めてから70歳になるまで加入することが出来て、原則65歳以降年金を受け取ることが出来ます。
厚生年金でも、国民年金と同じように障害厚生年金や遺族厚生年金を受け取ることが出来ます。
ですが、保障内容においては厚生年金の方が国民年金よりも充実しています。
例えば、加入者と配偶者の間に子供がいた場合、加入者の遺族は遺族基礎年金を受け取ることは出来ません。
一方で、遺族厚生年金は、配偶者との間に子供がいたとしても受け取ることが出来ます。
このことから、会社に勤めている方がより充実した年金制度に加入できるのです。
FIRE卒業が失敗する要因は?
次に、FIRE卒業が失敗する要因として考えられるものを紹介していきます。
再就職できない
まず一つ目の要因として考えられるのは、再就職が出来ないということです。
FIREをする場合、それまで勤めていた会社を退職することになります。
そして、一般的にFIREは”生涯”資産運用だけで生活していくことを目指すものなので、長期的になります。
そのため、FIREを達成してから再就職をするとなると、定職に就いていなかった期間が長くなってしまいます。
企業側としても、新卒ではなく中途採用を検討するにあたって、やはりその人のそれまでの経歴が重要になります。
あまりにも仕事のブランクが長すぎると、「採用しても即戦力になってくれるのだろうか」といったように疑問を持たれてしまう可能性があります。
もちろん、FIRE卒業後の再就職が不可能であるというわけではありません。
しかし、給与や福利厚生などの待遇が良い大企業などへの再就職は、少し難易度が上がってしまうかもしれません。
長時間の労働がきつい
二つ目の要因として、FIRE卒業後に再就職をした場合に、長時間の労働を過度に苦痛に感じてしまう可能性が挙げられます。
先ほども記述した通り、FIREを達成すると長期間仕事から離れることになります。
そのため、FIRE卒業をしていきなり一日8時間ほど働くことに過度なストレスを感じてしまうかもしれません。
精神的な苦痛を感じながら一日の約三分の一の時間を労働に費やすのは非常に苦しいものとなります。
FIREを目指すのであればその後の生活を知っておく
いかがでしょうか。
FIREは”仕事をせずに生きていく”という非常に魅力的な生き方である一方、うまくいかなかった後の生活は簡単なものではありません。
FIREを目指すのであれば、まずは万が一のときの生活を知っておくことも重要になるでしょう。
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