48歳が貯金3,000万円でセミリタイアをすることは出来るのか?40代でセミリタイアをする場合のシミュレーションは?
具体的な数値を計算しながら、初心者向けにわかりやすく解説していきます!
セミリタイアとは
セミリタイアとは、完全に仕事を辞めるのではなく、仕事の量を減らすことである程度の自由を手に入れる生き方のことで、サイドFIREとも言われます。
セミリタイアの場合、完全に仕事をやめること(=早期退職、FIREと呼ばれる)に比べて必要な資金額が少ないため比較的達成しやすいです。
セミリタイアをする際に考えるべきこと
まずは、セミリタイアをする際に考えるべきことを紹介していきます。
早期退職金はいくらもらえるのか
セミリタイアをする場合、それまで勤めていた会社を退職することになりますが、この際に早期退職金を受け取ることが出来ます。
そもそも早期退職とは、定年前に退職を希望する社員が自主的に退職できる制度のことで、その際に受け取ることが出来るのが早期退職金です。
一般的に、早期退職金は定年まで会社に勤めていた場合に受け取ることが出来る退職金よりも高額になります。
以下が、平成30年度実施の就労条件総合調査に基づいて作成した、大学・大学院卒で管理・事務・技術職の自己都合退職者の早期退職金の平均額をまとめた表です。
なお、縦軸を勤続年数、横軸を企業規模とします。
1,000人以上 | 300~999人 | 100~299人 | 30~99人 | |
20年~24年 | 901万円 | 819万円 | 430万円 | 852万円 |
25年~29年 | 1,732万円 | 1,101万円 | 833万円 | 700万円 |
30年~34年 | 2,393万円 | 1,364万円 | 1,136万円 | 不明 |
35年以上 | 2,270万円 | 2,091万円 | 1,629万円 | 不明 |
(e-Stat 政府統計の総合窓口から引用)
セミリタイアをするのであれば、早期退職金がどれくらいの金額になるのかをあらかじめ把握しておく必要があります。
年金はいくらもらえるのか
早期退職金に加えて、年金受給額も把握しておいた方が良いでしょう。
年金には国民年金と厚生年金があり、早期退職した場合でも条件を満たしていれば65歳から年金を受給することが出来ます。
また国民年金の場合は、早期退職した場合でも60歳になるまでは保険料を支払い続ける必要があります。
以下が、老齢基礎年金(国民年金の基礎年金)の受給額を国民年金の加入期間ごとに示した表になります(加入期間が10年未満の場合は国民年金を受給することが出来ません)。
加入期間 | 年間の受給金額 |
10年 | 198,750円 |
20年 | 397,500円 |
30年 | 596,250円 |
40年 | 795,000円 |
以下が、老齢厚生年金(厚生年金の基礎年金)の受給額を厚生年金の加入期間ごとに示した表になります(縦軸が加入年数、横軸が月額報酬を表す)。
10万円 | 20万円 | 30万円 | 40万円 | 50万円 | |
5年 | 32,460円 | 64,920円 | 97,380円 | 129,840円 | 162,300円 |
10年 | 64,920円 | 129,840円 | 194,760円 | 259,680円 | 324,600円 |
20年 | 129,840円 | 259,680円 | 389,520円 | 519,360円 | 649,200円 |
30年 | 194,760円 | 389,520円 | 584,280円 | 779,040円 | 973,800円 |
セミリタイアをする際は、国民年金と厚生年金の受給額をそれぞれ考慮する必要があります。
48歳・貯金3000万円でセミリタイアする場合
では、48歳で貯金3,000万円の状態でセミリタイアをする場合について考えていきます。
3000万円を生活費に充てるシミュレーション
まずは、貯金3,000万円を生活費として取り崩していくシミュレーションを行います。
このとき、貯金3,000万円に早期退職金を加えた金額を生活費に充てていくものとし、さらに65歳以降に年金を受給していくことを想定します。
そのため、生活費として取り崩していく総資金は以下とします。
3,000万円+※¹1,000万円+※²1,200万円+※³1,200万円=6,400万円
※¹ 「早期退職金はいくらもらえるのか」で取り扱った表を基に、勤務年数26年・企業規模300~999人として早期退職金のおおよその金額を算出。
※²※³「年金はいくらもらえるのか」で取り扱った表を基に、65歳~85歳までのおおよその合計金額を算出。※²が老齢基礎年金額で※³が老齢厚生年金額を表す。
以下がシミュレーションの結果です。
一か月の生活費 | 生活できる年数 |
20万円 | 約26年間 |
30万円 | 約17年間 |
40万円 | 約13年間 |
50万円 | 約10年間 |
結果的にいうと、仮に48歳の時点から月20万円で生活したとしても74歳の時点で資金は底をつくことが予想されることから、5,800万円のみを生活費としていくことはは難しいと思われます。
副業でどれくらい稼ぐ必要があるのか
それでは、上記のシミュレーションのように生活していくとしたら、副業でどれくらい収入を得る必要があるのでしょうか。
以下で、48歳から85歳まで生きると仮定した際の、一か月の生活費と生涯で必要な副業の収入をシミュレーションします。
一か月の生活費 | 副業で必要な収入 |
20万円 | 2,640万円 |
30万円 | 72,00万円 |
40万円 | 1億1,520万円 |
50万円 | 1億6,200万円 |
上記の通り、副業でもかなりの収入を得る必要があることがわかります。
40代年齢別・貯金3000万円でセミリタイアする場合
続いて、40代年齢別で貯金3,000万円の状態でセミリタイアする場合のシミュレーションを行っていきたいと思います。
3000万円を生活費に充てるシミュレーション
なお、このシミュレーションでも48歳の場合と同様に、貯金3,000万円に早期退職金・老齢基礎年金受給額・老齢厚生年金受給額を加えた金額を生活費に充てていくものとし、いずれの年齢でセミリタイアする場合にも以下の金額を使用します。
3,000万円+※¹800万円+※²800万円+※³800万円=5,400万円 ※¹早期退職金 ※²65歳~85歳までの老齢基礎年金受給額 ※³65歳~85歳までの老齢厚生年金受給額
この場合のシミュレーションが以下の通りです。
一か月の生活費 | 生活できる年数 |
20万円 | 約22年間 |
30万円 | 約15年間 |
40万円 | 約11年間 |
50万円 | 約9年間 |
副業でどれくらい稼ぐ必要があるのか
次に、上記のシミュレーションに応じて、年齢別に生涯で必要な副業での収入をそれぞれ表にまとめました(セミリタイアしてから85歳まで生きるものとする)。
40歳でセミリタイアする場合
一か月の生活費 | 副業で必要な収入 |
20万円 | 5,520万円 |
30万円 | 1億800万円 |
40万円 | 1億6,320万円 |
50万円 | 2億1,600万円 |
42歳でセミリタイアする場合
一か月の生活費 | 副業で必要な収入 |
20万円 | 5,040万円 |
30万円 | 1億80万円 |
40万円 | 1億5,360万円 |
50万円 | 2億400万円 |
44歳でセミリタイアする場合
一か月の生活費 | 副業で必要な収入 |
20万円 | 4,560万円 |
30万円 | 9,360万円 |
40万円 | 1億4,400万円 |
50万円 | 1億9,200万円 |
46歳でセミリタイアする場合
一か月の生活費 | 副業で必要な収入 |
20万円 | 4,080万円 |
30万円 | 8,640万円 |
40万円 | 1億3,440万円 |
50万円 | 1億8,000万円 |
セミリタイアをする際に注意するべきこと
将来の出費を想定する
セミリタイアをする際には、将来的に発生する可能性がある出費を想定する必要があります。
考える必要がある出費の例としては、以下が挙げられます。
・住宅ローン ・病気やけがなどによる入院 ・結婚 ・教育費
セミリタイアをする場合は、こういった費用が発生する可能性を考慮して資金計画を立てることがおすすめされます。
保障や福利厚生
セミリタイアをして会社を退職すると、様々な保障や福利厚生が受けられなくなる場合があります。
そのため、セミリタイアをしたあとはより健康に気を付ける必要が出てきます。
3000万円でセミリタイアをするなら資産運用!
貯金3,000万円でセミリタイアをするのであれば、3,000万円に加えてより多くの資金が必要になります。
その際、余分に必要な資金のすべてを副業の収入でまかなうことはかなり難しいと思われます。
そのため、セミリタイアをするのであれば副業に加えて資産運用を行うことが必要になります。
以下で、資産運用をする際におすすめの制度を紹介します。
新NISA
新NISAとは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。
通常、株などに投資して得た利益(配当や売却益など)には、20.315%の税金がかかります。
しかし、NISAという制度を利用すれば投資で得た利益が非課税になります。
新NISA口座を開設して、その口座を用いて投資を行うことで利用できます。
新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれており、つみたて投資枠で投資をする場合は毎月同じ商品を少しづつ買い続けて(=積立投資)、成長投資枠で投資をする場合は、その都度好きな商品を買うことが出来ます(つみたて方式で使うことも可能)。
新NISAを利用して資産運用をすることで、より効率的に資産を増やしていくことが出来ます。
新NISAについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
iDeCo
iDeCoとは、国民全員が加入しなければならない国民年金とは違って、65歳未満の第二号保険者or20歳~60歳の第一・三号保険者(その他条件あり)が“任意“で加入することの出来る年金制度(私的年金制度)の1つです。
公的年金(国民年金、厚生年金)の場合、払い込んだ保険料を保険会社が運用(株や債券の売買に使用)し、65歳になると年金が2か月に1回支給され始めます。
iDeCoの場合、毎月払い込んだ保険料を自分で運用していき、積み上げてきた資産を自分のタイミングで年金として2か月に1回受け取り始める(一時金として受け取ることも可能)ことが出来ます。
つまり、iDeCoとは言ってしまえば、年金形式で積み上げてきた資産を受け取るという条件付きでただ自分で資産運用をするというだけなのです。
iDeCoを利用して資産運用を行うことで、以下の税制優遇を受けることが出来ます。
・掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除という所得控除の対象になる
・資産運用の運用益が非課税になる
・掛金と運用益の受取時に所得控除を受けることが出来る
iDeCoについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
コメント
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