HDVはおすすめしないと言われる3つの理由とは?メリットとデメリットや配当金生活について解説

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HDVはおすすめしないと言われる3つの理由とは?HDVのメリットやデメリットはなに?株価と配当利回りや配当金生活について分かりやすく解説します!

HDVとは

HDV(正式名称:iシェアーズ・コア高配当株ETF)は、モーニングスター配当フォーカス指数という株価指数に連動するインデックス型のETFです。

ETFとは上場投資信託と呼ばれる投資信託の一種で、証券取引所で取引される投資信託となっています。

ETFの特徴としては、投資信託に比べて手数料が低い傾向にあることや、リアルタイムでの注文が出来るといった点が挙げられます。

ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!

モーニングスター配当フォーカス指数とは

モーニングスター配当フォーカス指数は、米国株式市場に上場している銘柄のうち上位75銘柄で構成される株価指数です。

配当利回りの高さだけでなく、財務の健全度企業の配当支払能力にも着目して銘柄が選出されているため、安全性の高い株価指数であると考えられます。

HDVの株価

まず、HDVの株価を見ていきます。

アメリカの大手情報サービス会社であるBloombergによると、2024年8月1日時点でのHDVの株価は114.830米ドル(日本円で約1万7,236円)となっています。

三井住友銀行のリアルタイム為替レート(2024年8月1日 午後4時35分 現在)を使用しました。

HDVの配当利回り

続いて、HDVの分配金利回りです。

HDVの分配金利回りは、日々変動するものの2024年8月1日時点では3.23%(Bloomberg参照)となっています。

HDVを構成する銘柄は米国の上位銘柄であることから、日本株で構成されたETFに比べると分配金利回りも高くなっていると思われます。

HDVで配当金生活シミュレーション

続いて、HDVで配当金生活を行う場合のシミュレーションを行います。

このシミュレーションでのHDVの分配金利回りを3.23%と想定して、投資金額による年間の分配金金額を算出します(ただし税金を考慮せず、あくまで税引き前の金額を示しています)。

シミュレーションの結果は以下の通りです。

投資金額年間の分配金金額
100万円3万2,300円
500万円16万1,500円
1,000万円32万3,000円
1,500万円48万4,500円
2,000万円64万6,000円
2,500万円80万7,500円
3,000万円96万9,000円
3,500万円113万500円
4,000万円129万2,000円
5,000万円161万5,000円
6,000万円193万8,000円
7,000万円226万1,000円
8,000万円258万4,000円
9,000万円290万7,000円
1億円323万円

HDVのメリット

貯金箱

ここから、HDVに投資をする上でのメリットを紹介していきます。

安定している

HDVのメリットとして、まずは安定していることが挙げられます。

上記した通り、HDVはモーニングスター配当フォーカス指数に連動するETFであり、この指数は企業の健全性が高く、安定している銘柄で構成されています。

そのため、HDVは他のETFと比較して安定した値動きが期待されます。

経費率が低い

ETFを保有する場合、保有している期間に経費(手数料)を支払う必要があります。

Bloombergによると、2024年8月1日時点でのHDVの経費率は価格の 0.08 %となっていますが、これは他の海外ETFと比較して低い水準にあると言えます。

以下で、2024年8月1日時点での海外ETFの経費率の例を挙げてみました(Bloomberg参照)。

ETF経費率
QYLD0.61%
PFF0.46%
SPYD0.07%
BND0.03%
JEPI0.35%
HDV0.08%
VTI0.03%
VIG0.06%
QQQ0.20%

このように、HDVの経費率は他の海外ETFと比較して低い水準にあることが分かります。

ETFを長期的に運用していく上で、経費率はリターンに大きな影響を及ぼす要因となるため、経費率の低さは大きなメリットとなります。

HDVよりもさらに経費率が低い他の海外ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!

HDVのデメリット

時計

続いて、HDVに投資をする上でのデメリットを紹介していきます。

配当利回りが低い

HDVは、安定した銘柄で構成されている一方で、他のETFと比較すると分配金利回りが若干低めとなっています。

実際、HDVの分配金利回りは2024年8月1日時点で1.40%となっていますが、これは他の海外ETFと比較すると低い水準となっています。

以下で、他の海外ETFの分配金利回りの例を紹介しておきます(2024年8月1日時点)(Bloombergで算出された数値を使用しています)。

ETF分配金利回り
QYLD12.12%
PFF6.08%
SPYD4.52%
BND3.65%
JEPI6.04%
HDV3.23%
VIG1.90%
QQQ0.65%

このように、HDVは他の海外ETFと比較して分配金利回りがかなり低いことが分かります。特に、QYLDとは分配金利回りに約11%も差があります。

分配金利回りが特に高い他の海外ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!

分散投資効果が低い

分散投資とは、1つの資産だけに投資をするのではなく、様々な銘柄や業種、国の資産に分けて投資をすることを指します。

投資資金のすべてを1つの銘柄に投資した場合、もしその銘柄の価格が大幅に下落してしまうと大きな損失となってしまいます。

しかし、分散投資をすることでたとえ1つの銘柄の価格が急落しても、投資全体での損失を少なく抑えることが出来るのです。

そのため、投資をする上で分散投資を心がけることは非常に重要なこととなります。

HDVでは、米国株式市場に上場している銘柄のうち上位75銘柄をそれぞれ少額づつ購入することになるため、ある程度の分散投資効果が期待出来ます。

しかしながら、約4,000銘柄に分散投資をするVTIや、約8,000銘柄に分散投資をするVTと比較すると、HDVの分散投資効果はあまり高くないと考えることが出来ます。

以上のETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!

為替リスクがある

為替リスクとは、為替レートを用いて異なる通貨同士を交換する(=為替をする)際に生じるリスクのことです。

例えば、ETFを構成する株式が米国株であった場合、分配金や売却益をドルで受け取るとに交換する必要があります。この場合、為替レートの状況に応じて以下のようなことが起こります。

・利息や償還益をドルで受け取るとき=ドルを円に交換する
円安ドル高の場合、同じドルでもより多くの円と交換できる
 円高ドル安の場合、同じドルでもより少ない円としか交換でない

HDVはドルで売買されるETFであるため、HDVへの投資には為替リスクが伴います。

HDVを使ったおすすめの投資方法

配当利回りや分散投資効果が高いETFと組み合わせる

上記した通り、HDVは安全性が比較的高いものの、リターン面では他のETFに劣ると思われます。

そのため、投資資金のすべてをHDVに使うのではなく、先ほど紹介したSPYDやPFFといった高分配が期待できるETFにも分散して使うことがおすすめされます。

また、VTIやVTなどの分散投資効果が高いETFとも組み合わせることもおすすめです。

こうすることで、HDVのみに投資する場合よりもより効率的に利益を上げたり、分散投資効果の改善の効果が期待できます。

新NISAを活用する

NISAは、2014年から開始された「少額投資非課税制度」で、NISAを活用することで投資から得られる配当金・分配金や売却益が非課税となります。

新NISAとは、2024年から開始したNISAの新しい形態で、主な変更点としては
・非課税保有期間が無制限となる
・非課税保有限度額が上昇する
等が挙げられます。

新NISAはつみたて投資枠成長投資枠に分かれており、それぞれの枠で異なる投資方法が実施できます。

注意点としては、米国株に投資する場合は国内とは別に米国内で10%が課税されるのですが、米国内で課税される分は新NISAで非課税にはならないです。

【結論】HDVはおすすめしない?

HDVには、経費率が低いことや安全性が比較的高いといったメリットが挙げられます。

しかしながら、他の海外ETFと比較して分配金利回りや分散投資効果が低いことや、為替リスクといったデメリットがあることも事実です。

そのため、先述した通り分配利回りや分散投資効果が高い他のETFと組み合わせる方がおすすめだと考えられます。

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