投資はVTだけでいい?VTで配当金生活はできる?VTの配当利回りや株価はどれくらいなのか?VTのメリット・デメリットなどを初心者向けにわかりやすく解説します!
VTとは
VT(正式名称:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという株価指数に連動するインデックス型のETFです。
ETFとは上場投資信託と呼ばれる投資信託の一種で、証券取引所で取引される投資信託となっています。
ETFの特徴としては、投資信託に比べて手数料が低い傾向にあることや、リアルタイムでの注文が出来るといった点が挙げられます。
そしてインデックス型のETFとは、つまり株価指数の動きに連動した運用成果を目指すETFであるということです。
ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは、米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場に上場する株式で構成される株価指数です。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの特徴としては対象銘柄の数にあり、約8,000銘柄という莫大な数の銘柄を対象とした株価指数となっています。
また、先進国の大型株だけでなく新興国の中小型株も対象となっている点も特徴の一つとなります。
VTの配当利回り

アメリカの大手情報サービス会社であるBloombergによると、2025年4月12日時点でのVTの分配金利回りは1.39%となっています。
これは、他の海外ETFと比較すると低い水準であると言えます。参考として、他の海外ETFの例を挙げてみました。
ETF | 分配金利回り |
TLT | 4.52% |
QYLD | 12.77% |
JEPQ | 13.28% |
SPYD | 4.21% |
BND | 4.00% |
JEPI | 9.16% |
HDV | 2.88% |
VTI | 1.53% |
VIG | 2.07% |
QQQ | 0.64% |
このように、VTの分配金利回りの水準はかなり低く、特にQYLDやJEPQといったEFTとは分配金利回りに約11%の差が生まれています。
上記のような超高配当ETFは確かに魅力的ですが、実際以下のように感じるかたもいるかと思います。
・高リターンすぎて怪しい...
・信頼できない
・リスクがめちゃくちゃ高いんじゃ?
このような方のために、以下の記事で超高配当ETFについて詳しく解説しています。ETF投資を考えているのであれば、ぜひ一読ください!
VTの株価
Bloombergによると、2025年4月12日時点でのVTの株価は111.11米ドル(日本円で※約1円)となっています。
このように、VTを購入するためには小さくない金額の資本が必要となります。
※三井住友銀行のリアルタイム為替レート(2025年4月12日 午前5時35分 現在)を使用しました。
VTの経費率
続いて、VTの手数料について見てみましょう。
VTをはじめとするETFに投資をする際、経費という手数料を支払う必要があり、ETFの価格に対する経費の割合を経費率と呼びます。
現時点でのVTの経費率は0.06%となっています。これは、ETFの中でかなりコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
VTの上位構成銘柄
2025年4月12日時点のVTの上位構成銘柄は以下の通りとなっています(Bloomberg参照)。
企業 | 割合 |
アップル | 3.86% |
マイクロソフト | 3.29% |
エヌピディア | 3.26% |
アマゾン・ドット・コム | 2.22% |
メタ・プラットフォームズ | 1.63% |
アルファベット | 1.12% |
ブロードコム | 1.01% |
アルファベット | 0.93% |
テスラ | 0.91% |
バークシャー・ハサウェイ | 0.89% |
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスでは先進国に加えて新興国の株式も対象になりますが、やはりVTの上位構成銘柄には先進国の世界的な大企業の株式が含まれています。
VTで配当金生活をする上でのデメリット

配当利回りが低い
VTのデメリットとしては、分配金利回りが低いことが挙げられます。
先述した通り、VTの分配金利回りは他の海外ETFと比較してかなり低いです。
投資をする上で分配金利回りはとても重要なものです。VTに投資をするのであれば、分配金利回りの低さについてしっかりと理解しておく必要があります。
中小型株への投資リスク
VTは、マイクロソフトやアップルなどの先進国の企業の銘柄を含む一方で、新興国の企業の銘柄も対象としています。
新興国の中小型株は、大型株と比較して業績が安定していない・株価の変動率が大きいといったことが考えられます。
かといって、VTの運用成果がそれほどまでに安定していないというわけではありません。
ですが、一般的には大型株のみで構成される株価指数に連動するETFと比較すると、新興国の中小型株も対象に含まれるVTは比較的リスクが大きいと考えられるため、運用する際には注意をしておく方が良いでしょう。
VTで配当金生活をする上でのメリット

分散投資効果が非常に高い
分散投資とは、様々な銘柄の資産に投資をすることでリスクを分散させて投資をすることをいいます。
例えば、
・1つの銘柄だけではなく、様々な銘柄の株式を買う
・株式だけでなく、債券などにも投資をする
ことが挙げられます。
こうすることで、たとえある特定の銘柄が減配されたり、その銘柄を発行している企業が債務不履行に陥ってしまったとしても、それによる影響を小さくすることが出来ます。
VTでは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスが対象とする約8,000銘柄に少額づつ投資をすることになるため、分散投資効果が非常に高いと考えられます。
配当金生活などのために長期的にETFを運用していくのであれば、リスク分散が出来ることは大きなメリットになります。
経費率が低い
VTといったETFを保有する場合、保有している期間中に経費(手数料)を支払う必要があります。
Bloombergによると、2025年4月12日時点でのVTの経費率は価格の0.06%となっており、これは他の海外ETFと比較して低い水準となっています。
以下で、2025年4月12日時点での海外ETFの経費率の例を挙げてみました(Bloomberg参照)。
ETF | 経費率 |
QYLD | 0.61% |
PFF | 0.46% |
SPYD | 0.07% |
BND | 0.03% |
JEPI | 0.35% |
HDV | 0.08% |
VTI | 0.03% |
VIG | 0.06% |
QQQ | 0.20% |
このように、VOOの経費率は他の海外ETFと比較しても低い水準にあることが分かります。
ETFを長期的に運用していく上で、経費率はリターンに大きな影響を及ぼす要因となるため、経費率の低さは大きなメリットとなります。
VOOと同水準で経費率が低い他の海外ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
VTの配当金生活シミュレーション
続いて、VTで配当金生活をする場合のシミュレーションを行います。
このシミュレーションでのVTの分配金利回りを1.39%と想定して、投資金額による年間の分配金金額を算出します(ただし税金を考慮せず、税引前の金額とする)。
シミュレーションの結果は以下の通りです。
投資金額 | 年間の分配金金額 |
100万円 | 1万3,900円 |
500万円 | 6万9,500円 |
1,000万円 | 13万4,000円 |
1,500万円 | 20万8,500円 |
2,000万円 | 27万8,000円 |
2,500万円 | 34万7,500円 |
3,000万円 | 41万7,000円 |
3,500万円 | 69万5,000円 |
4,000万円 | 55万6,000円 |
5,000万円 | 69万5,000円 |
6,000万円 | 83万4,000円 |
7,000万円 | 97万3,000円 |
8,000万円 | 111万2,000円 |
9,000万円 | 125万1,000円 |
1億円 | 139万円 |
VTで配当金生活はできるのか?
結論としては、VTへの投資のみで配当金生活をすることは難しいと考えられます。
その理由としては、やはり分配金利回りの低さにあります。シミュレーションの通り、VTの分配金のみで生活していくためにはかなりの金額をVTへの投資に回す必要があります。
もしも、生活費として十分な金額の分配金を得ることが出来るほどの投資元本が無い場合は、以下のことが必要になるでしょう。
・VTへの投資に加えて、副業をする
・VTだけでなく、さらに分配金利回りが高い米国株ETFなどにも投資をする
記事最後に、VTの代替となり得るETFを紹介していますので、ぜひご参照ください!
投資はVTだけでいい?
先述した通り、VTにはいくつかのメリットがありますが、同時に以下のようなデメリットもあります。
・分配金利回りが低い
・中小型株への投資リスク
特に、分配金利回りはVTの最も大きなデメリットであるといえるでしょう。
長年ETFに関する記事を制作してきた私が厳選した、分配金利回りが高い&リスクが低いETFを3つ以下で紹介しておくので、ETF投資を考えている方はぜひご覧ください!
PFF |
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PFFD |
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