1億5000万円でリタイアは出来るのか?注意点やおすすめの資産運用を初心者向けにわかりやすく解説します!
フルリタイアとセミリタイアの違い
一般的に、リタイア(フルリタイア)とは仕事を完全に辞めることを意味します。
一方で、最近ではセミリタイアという言葉を耳にすることが多くなってきました。
セミリタイアとは、完全に仕事を辞めるのではなく仕事の量や時間を減らすことを指します。
この記事では、1億5,000万円の資産をもとに定年を迎える前に前者のフルリタイアをする場合について解説していきます。
1億5000万円の資産を築くための資産運用
1億5,000万円の資産を形成することはかなり苦労のかかることです。
以下で、資産運用におすすめの金融資産をいくつか紹介します。
投資信託
投資信託とは、自分自身で株式や債券を購入せずに投資の専門家である運用会社に投資資金を渡すことで、その会社が自分の代わりに様々な銘柄の資産に投資をしてくれるという金融商品です。
投資信託では、運用会社が多数の投資家から資金を回収し、運用で得られた利益を投資家に分配します。
ただし、投資信託の価格はその投資信託の構成銘柄である株式や債券の価格変動に応じて変動するため、損失を出してしまう可能性があることには注意が必要です。
ETF
ETFとは上場投資信託と呼ばれる金融資産です。
上場投資信託は証券会社のみで取り扱われる投資信託で、上場した銘柄のみが対象となっています。
ETFの特徴としては、手数料が低いことやリアルタイムでの取引が可能であるといったことが挙げられます。
ETFについての詳しい解説は以下の記事で行っています!
不動産投資信託(J-REIT)
J-REITとは、多数の投資家から集めた資金を不動産などの投資に回し、そこで得られた賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。
仕組みは、株式や債券などを取り扱う通常の投資信託と同じです。
J-REITでは、ETFと同じように購入時手数料や信託財産留保額はかかりません。
1億5000万円でリタイアする際のシミュレーション
以下で、実際に1億5,000万円でリタイアをする場合のシミュレーションを行いたいと思います。
ですがその前に、まずは早期退職金と年金について解説します。
早期退職金
早期退職とは、定年前に退職を希望する社員が自主的に退職できる制度のことで、その際に受け取ることが出来るのが早期退職金です。
以下が、平成30年度実施の就労条件総合調査に基づいて作成した、大学・大学院卒で管理・事務・技術職の自己都合退職者の早期退職金の平均額をまとめた表です。
なお、縦軸を勤続年数、横軸を企業規模とします。
1,000人以上 | 300~999人 | 100~299人 | 30~99人 | |
20年~24年 | 901万円 | 819万円 | 430万円 | 852万円 |
25年~29年 | 1,732万円 | 1,101万円 | 833万円 | 700万円 |
30年~34年 | 2,393万円 | 1,364万円 | 1,136万円 | 不明 |
35年以上 | 2,270万円 | 2,091万円 | 1,629万円 | 不明 |
今回のシミュレーションでは定年前に早期退職することを想定するため、早期退職金を1,000万円と仮定して資産額に加算します。
年金
年金には国民年金と厚生年金があり、早期退職した場合でも条件を満たしていれば65歳から年金を受給することが出来ます。
また国民年金の場合は、早期退職した場合でも60歳になるまでは保険料を支払い続ける必要があります。
令和4年度末時点において、国民年金と厚生年金を合わせた老齢年金の一か月平均受給額は約14万4,000円となっています。(参照:令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況)
そのため、今回のシミュレーションでは65歳から85歳までの総年金受給額を3,500万円と仮定して資産額に加算します。
1億5000万円でリタイア!シミュレーション結果
それでは、次に1億5,000万円でリタイアをする場合のシミュレーションを行います。
このシミュレーションでは、1億5,000万円に早期退職金・年金を加えた金額でどれだけの年数生活することが出来るのかを計ります(年未満は切り捨て)。
結果は以下の通りです。
一か月の生活費 | 生活できる年数 |
10万円 | 約162年 |
15万円 | 約108年 |
20万円 | 約81年 |
25万円 | 65年 |
30万円 | 約54年 |
35万円 | 約46年 |
40万円 | 約40年 |
45万円 | 約36年 |
50万円 | 約32年 |
1億5000万円でのリタイアは現実的か?
以上のシミュレーションの結果を考慮すると、1億5,000万円の資産を形成した状態でリタイアをすることは可能であると考えられます。
ですが、ある程度支出を抑える必要があると思われます。
特に、配偶者や子供がいる場合は支出に注意をする必要があるでしょう。
1億5000万円でリタイアする際のポイント
リタイア後も資産運用を続ける
1億5,000万円の資産を築くためには資産運用を行い効率的に資産を増やしていく必要があります。
ですが、資産形成時だけでなくリタイア後も資産運用を続けることで、よりゆとりを持った生活を目指すことが出来ます。
ただし、実際にリタイアをした後に資産運用に失敗して、資産が一気に減ってしまうことは避ける必要があります。
そのため、リタイア後は債券のような他の金融資産よりもリスクが低い資産での運用を増やすといったことをすることで、上記のリスクに対処することがおすすめされます。
支出を減らす
シミュレーションの結果からも明らかなとおり、どれだけ生活にお金をかけるかによってリタイア後に生活できる年数に大きな差が生まれます。
そのため、リタイアするのであれば支出を減らすことを意識していくことが重要になると考えられます。
また、ある程度のリスクを伴う資産運用とは異なり、支出を減らすことにはリスクが伴わないことからも、リタイア生活において支出の削減はとても有効的な策略であると言えます。
リタイアには、資産を増やしていくというプラスの考えに加えて、支出を減らすというマイナスの考えを持つことも大切になるでしょう。
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