XYLDで配当金生活を行う上で気を付けるべきポイントは何なのか?XYLDのメリットやデメリットはなに?わかりやすく解説します!
XYLDとは
銘柄 | XYLD |
正式名称 | グローバルX S&P 500・カバード・コール ETF |
運用会社 | Global X Japan |
連動指数 | S&P500 |
特徴 | カバード・コール戦略に基づいて運用される |
XYLDは、Global X Japanが運用するETFで、正式名称をグローバルX S&P 500・カバード・コール ETFといいます。
XYLDは米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するアクティブ運用のETFです。
XYLDの大きな特徴はカバード・コール戦略を取り入れていることで、これを理解することが重要となるため以下で詳しく解説します。
S&P500について
S&P500は、ニューヨーク証券取引所およびNASDAQ(米国の代表的な株式市場)に上場している企業のうちの、代表的な企業の株式約500銘柄で構成される株価指数です。
S&P500は米国株式市場の大型株のパフォーマンスを表すことを目指しており、構成銘柄の時価総額を基に算出されます。
海外ETFにはS&P500に連動するものが数多く挙げられ、S&P500は米国を代表する株価指数であるといえます。
カバード・コール戦略とは
続いて、カバード・コール戦略について詳しく解説します。
カバード・コール戦略とは、単純に銘柄を保有しておくのではなくオプション取引で利益を出す(※コール・オプションを売ることで利益を出す)投資方法です。
コール・オプションを売る際、売り手は買い手からオプション・プレミアムというお金をもらいます。
コール・オプションを売るということは、原資産を将来売ることを決定させることになるため、原資産自体の価格の上昇による長期的なリターンというよりは、オプション・プレミアムによる短期的な利益を狙う投資方法となります。
そのため、長期的な運用を前提としたインデックス型のETFと比較して、カバード・コール戦略を取るXYLDは短期でより大きな利益を出す可能性が高いと考えられます。
※コール・オプション・・・特定の商品を、将来の特定の日に買う権利(オプション)。
XYLDの詳しいデータを分析
続いて、XYLDの詳しいデータを分析していきます。
なお、以下で用いる情報はGlobal X Japanの公式サイトを参照しています。
・Global X Japan XYLD グローバルX S&P 500・カバード・コール ETF
・XYLD-factsheet_J.pdf
価格
まずは、XYLDの価格を見ます。
2024年10月4日時点でXYLDの基準価格は41.55米ドル(日本円で※約6,174円)となっています。
多額の金額を一度にXYLDに投資をする場合はあまり気にならないかもしれませんが、少額から投資をしたいという方にとっては少し高めの金額かもしれません。
※三井住友銀行のリアルタイム為替レート(2024年10月8日 午後10時35分 現在)を使用しました。
分配金利回り
続いて、XYLDの分配金利回りを見てみます。
XYLDの分配金利回りは2024年10月4日時点で9.69%となっており、ETFの中でもかなり高い分配金利回りとなっています。
これは、カバード・コール戦略に基づいて運用されているため短期的なリターンが大きくなっていることが要因であると考えられます。
ちなみに、カバード・コール戦略を採用している他のETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!どれもXYLDと同水準で高い分配金利回りを誇っています。
コスト
XYLDをはじめとしたETFを運用するとき、経費と呼ばれる手数料を支払う必要があります。
XYLDの経費率は現時点で0.60%となっています。
金融資産の手数料としてはそこまで高くないと捉えることもできることは確かですが、ETFの中ではあまりコスパが良くないと考えられます。
実際に、経費率が0.03%というようにかなりコスパが良いETFも存在します。コストが特に低いETFについては以下の記事で解説しています。
構成銘柄数
最後に、XYLDの構成銘柄数を確認します。
2024年8月31日において、XYLDの構成銘柄数は504となっています。
XYLDが連動するS&P500の構成銘柄数は約500であることから、XYLDの構成銘柄数もそれとほとんど同数となります。
一般的に、構成銘柄数が多ければ多いほどリスク分散効果も高くなるのですが、504もの銘柄に少額づつ投資をするXYLDのリスク分散効果は比較的高いと考えられます。
XYLDで配当金生活を行う場合のシミュレーション
次に、XYLDで配当金生活を行う場合を想定してシミュレーションを行います。
このシミュレーションでのXYLDの配当利回りを9.69%と想定して、投資金額による年間の配当金金額を算出します(ただし税金を考慮せず、税引前の金額とする)。
シミュレーションの結果は以下の通りです。
投資金額 | 年間の配当金金額 |
100万円 | 96,900円 |
500万円 | 484,500円 |
1,000万円 | 969,000円 |
1,500万円 | 145万3,500円 |
2,000万円 | 193万8,000円 |
2,500万円 | 242万2,500円 |
3,000万円 | 290万7,000円 |
3,500万円 | 339万1,500円 |
4,000万円 | 387万6,000円 |
5,000万円 | 484万5,000円 |
6,000万円 | 581万4,000円 |
7,000万円 | 678万3,000円 |
8,000万円 | 775万2,000円 |
9,000万円 | 872万1,000円 |
1億円 | 969万円 |
XYLDで配当金生活を行うのはどうなのか?
XYLDの分配金のみで生活をしていく上では、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | ・高い分配金利回りから、他のETFよりも実現しやすい |
デメリット | ・カバード・コール戦略を取るためリスクが大きい ・大きな投資元本が必要になる |
先述した通り、XYLDの分配金利回りはかなり高いため、生活に使えるお金が比較的多くなると考えられます。
ですが、第三者が恣意的にオプションを売却するカバード・コール戦略を取るXYLDで配当金生活を行う場合は、大きな価格変動リスクを伴うことが予想されます。
また、いくら分配金利回りが高いとはいえ、XYLDの分配金だけで生活していくためにはかなりの投資元本が必要になると考えられます。
これらのことから、XYLDへの投資のみで配当金生活を行うことはあまりおすすめできないです。
XYLDを運用する際の注意点
最後に、XYLDに投資をする際の注意点を紹介しておきます。
カバード・コール戦略を取らないETFにも投資をしておく
XYLDに投資をするのであれば、カバード・コール戦略を取らないETFにも投資をしておくことをおすすめします。
同じ戦略を取るETFのみに投資をしていると同じリスクを取ることになるため、リスク分散のためにも様々なETFに投資をしておくことをおすすめします。
安全資産も保有しておく
安全資産というのは、リスクが限りなく低い資産のことです。
具体的には、個人向け債券や現金預金が挙げられます。
XYLDに限らず、ETFなどの金融資産にはリスクが伴います。そのため、資産のうちある程度の割合を安全資産として置いておくことで万が一のときに備えることができます。
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