VUGはおすすめしないのか?米国の大型グロース株に投資をするETFであるVUGについて詳しく解説していきます!
VUGとは
VUGは、バンガード社が運用するETFで、正式名称をバンガード・グロースETFといいます。
VUGはインデックス型のETFとなっており、CRSP米国ラージキャップ・グロース・インデックスという株価指数に連動した運用成果を目指します。
VUGの主な特徴としては、米国の大型グロース株に投資をすることが挙げられます。
ETFについての解説は以下の記事で行っています。
CRSP米国ラージキャップ・グロース・インデックスとは
CRSP米国ラージキャップ・グロース・インデックスは、米国の株式市場に上場する大型のグロース株によって構成される株価指数となっています。
また、この指数は時価総額の大きい企業の銘柄を抽出しています。そのため、他のグロース株よりもより安定した値動きが期待できます。
この指数の構成銘柄の多くはテクノロジーやヘルスケアといった高い成長率が予想されるセクターのものであるため、この指数に連動するVUGは将来的に大きな成長が期待されます。
VUGの上位構成銘柄
2024年12月11日時点でのVUGの上位構成銘柄を挙げました(Bloomberg参照)。
銘柄 | 割合 |
アップル | 12.06% |
マイクロソフト | 11.43% |
エヌビディア | 10.00% |
アマゾン・ドット・コム | 5.99% |
メタ・プラットフォームズ | 4.74% |
アルファベット | 3.31% |
イーライリリー | 2.87% |
アルファベット | 2.70% |
テスラ | 2.70% |
ビザ | 1.70% |
先述の通り、VUGの構成銘柄の最上位層にはアップルやマイクロソフト、エヌビディアなどのテクノロジー業界のメガ企業が見られます。
これらの企業は、今後もさらなる飛躍が期待されるため、それに伴ってVUGも将来的にさらなる成長を遂げることが予想されます。
VUGはどんなETF?
VUGについての知見をより深めるために、以下でVUGの具体的なデータを見ていきます。
なお、以下で用いるVUGの価格/インカムゲイン/コスト/構成銘柄/トータルリターンの情報はBloombergを参照しています(2024年12月11日時点)。
価格
初めに、VUGの価格を確認します。
現時点において、VUGの価格は419.94米ドル(日本円で約6万4,163円)となっています。
ETFにしてはかなり高い水準にあると考えられるため、少額投資にはあまり向かないと思われます。
※三井住友銀行のリアルタイム為替レート(2024年12月11日 午後11時5分 現在)を使用しました。
インカムゲイン
続いて、インカムゲインです。
インカムゲインとは、ETFを保有している中に株主が定期的に得ることのできる利益のことで、ETFのインカムゲインを分配金といいます。
VUGの分配金利回りは0.43%となっており、ETFとしてはかなり低い水準であるといえます。
そのため、VUGは高いインカムゲインを目指す投資家にとってはあまり向いていないといえるでしょう。
ちなみに、分配金利回りが10%を超えるような高いインカムゲインを誇るETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
コスト
次に、コストです。
ETFの運用時には、経費という手数料を支払う必要があります。ETFの価格に対する経費の割合を経費率と呼びます。
VUGの経費率は0.04%と、かなり低い水準となっています。
投資金額が大きくなるほど経費率の違いはリターンに大きな影響を与えます。経費率が低いことは、ETF運用において大きなメリットとなります。
構成銘柄数
続いて、VUGの構成銘柄数を見てみます。
2024年10月31日時点でVUGの構成銘柄数は※182となっていますが、これはETFとして考えるとあまり多くはないと考えられます。
構成銘柄数が少ない場合、リスク分散効果があまり期待できなくなります。そのため、VUGに投資をする際には注意が必要になると思われます。
※「Vanguard VUGVanguard Growth ETF」(2024年10月31日時点)を参照。
トータルリターン
最後に、一年間のトータルリターンを見てみましょう。
トータルリターンとは、分配金などのインカムゲインに売却益といったキャピタルゲインを加えた総合的な利益を指します。
VUGの一年間のトータルリターンは、現時点で39.91%となっています。これは、かなり大きなリターンであるといえます。
一年間のトータルリターンが39.91%であることは、VUGを購入した場合一年後にはVUGの価格の約4割のリターンを得ることができることを意味します。
そのため、VUGは長期保有時に非常に大きなリターンが期待できるETFであると考えられます。
VUGはおすすめしないのは本当なのか?
結論としては、VUGをおすすめしないというのは間違いであると考えられます。
正確には、投資家の目的に応じてVUGの評価は変わります。以下が、VUGがおすすめされる投資家とおすすめされない投資家の特徴をまとめたものになります。
・VUGがおすすめされる投資家の特徴
長期保有で大きなリターンを得たい
低コストで運用したい
・VUGがおすすめされない投資家の特徴
少額投資をしたい
定期収入を得たい
VUGには価格が高いことやインカムゲインが少ないというデメリットがありますが、長期的なリターンは大きくコストも低いです。
そのため、一概にVUGがおすすめされないと断言することは出来ません。むしろ、長期保有を目的としている投資家にとっては優れたETFであるといえます。
VUGに投資をする上で気を付けるべきこと
リスク分散
先述の通り、VUGの構成銘柄数は比較的少ないです。そのため、VUGの運用時にはリスク分散効果を高めることが重要となります。
リスク分散効果を高めるためには以下のようなことが必要となります。
・他の指数に連動するETFにも投資をする
・異なる国・業種のETFにも投資をする
・ETF以外の金融資産にも投資をする
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