新NISAで1800万円までの投資を、毎月の投資額・利率・期間別でシミュレーション!
初心者にも分かりやすいように解説します。
新NISAとは
新NISAとは、株式や投資信託の配当金・分配金や売却益が非課税になるという制度です。
通常の口座で投資を行った場合、配当金・分配金や売却益には20.315%が課税されます。しかし、新NISAを活用することでそれらが非課税となるため、新NISAは投資家にとって非常に便利な制度となっています。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠に分かれており、それぞれで対象となる金融商品が異なります
新NISAでは、従来のNISAとは異なり非課税保有期間が無制限となったり、非課税保有限度額が増大するなど、投資家にとってより活用しやすい制度となっています。
なぜ1800万円?
実際にシミュレーションをする前に、そもそもなぜ”1800万円“までのシミュレーションなのでしょうか。
それは、新NISA口座で同時に非課税で保有できる資産の限度額が1800万円だからです。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠に分かれています。
つみたて投資枠では年間で最大120万円、成長投資枠では年間で最大240万円までの投資をすることが出来ます。
そのため、この記事では年間最大360万円の投資で、どのようにして非課税保有限度額の1800万円まで投資を続けるのかということをシミュレーションします。
非課税保有限度額1800万円までのシミュレーション
毎月の投資額・利率・期間ごとにシミュレーションを行います。
具体的な条件は以下の通りです。
毎月の投資額 | 3万円、5万円、10万円 |
利率 | 2%、4%、7% |
期間 | 5年、10年、20年、30年 |
以下の表では、縦軸に利率、横軸に投資を続ける期間、そしてそれらから導き出される数値は利益の合計金額とします。
また、このシミュレーションにおける利益とは、株を保有しているだけで得られる配当金のみとし、株の売買から得られる売却益は考慮しません。
なぜなら、個別株の売買は損失を出してしまうリスクが大きいため、長期間の投資に向いていないからです。
なお、このシミュレーションでは積立投資(一定金額分の資産を毎月買い続ける投資)を想定します。
月3万円ずつ投資する場合
まずは、毎月3万円ずつ投資していく場合のシミュレーションを行います。
5年 | 10年 | 20年 | 30年 | |
2% | 9.1万 | 38.2万 | 164.4万 | 398.2万 |
4% | 18.9万 | 81.7万 | 380.3万 | 1002.1万 |
7% | 34.8万 | 159.3万 | 842.8万 | 2579.9万 |
月5万円ずつ投資する場合
続いて、毎月5万円ずつ投資していく場合のシミュレーションを行います。
5年 | 10年 | 20年 | 30年 | |
2% | 15.2万 | 63.6万 | 274万 | 663.6万 |
4% | 31.5万 | 136.2万 | 633.9万 | 1670.2万 |
7% | 58万 | 265.4万 | 1404.6万 | 4299.9万 |
月10万円ずつ投資する場合
最後に、毎月10万円ずつ投資していく場合のシミュレーションを行います。
5年 | 10年 | 15年(限度額) | 20年 | 30年 | |
2% | 30.5万 | 127.2万 | 297.1万 | 477.1万 | 837.1万 |
4% | 63万 | 272.5万 | 660.9万 | 1020.9万 | 1740.9万 |
7% | 115.9万 | 530.8万 | 1369.6万 | 1999.6万 | 3259.6万 |
毎月10万円ずつ投資をする場合、投資を始めてから15年目で非課税保有限度額の1800万円に到達します。
そのため、20年目と30年目の利益の合計額は、「16年目から1800万円をそのまま保有し続けた場合の利益の合計額」を示しています。
利率2%・4%・7%のうちのどれが狙い目?
今回シミュレーションに使用した利率の中で、どの利率が狙うべき利率なのでしょうか。
それぞれの利率の特徴をまとめました。
利率2%:国内株の平均的な利率。リスクが小さいがリターンも小さめ。投資初心者向け。 利率4%:平均的な米国株から期待される利率。多少のリスクを取ってより高リターンを狙える。 利率7%:高いリターンが期待できる代わりにリスクが高い。投資上級者向け。
利率2%は国内株の平均的な利率であり、比較的安定した企業の株に投資すれば狙える利率となっているため、比較的リスクが小さいです。
しかし、その代わりリターンも少額になりがちです。
利率4%は、平均的な米国株に投資した場合に期待できる利率です。
より具体的に説明すると、平均的な米国株の価格(株価)の年間上昇率が7%であり、アメリカの年間の物価上昇率が3%ほどであることから、年間で得られる米国株の配当金が株価の4%(7%ー3%=4%)の金額になる、という理論から導き出された考えです。
リスクは高めですが、ある程度投資経験があれば狙える利率であると思われます。
利率7%を達成するのであれば、リスクがかなり大きい資産に投資をしなければならないことが多いため、投資経験が豊富な上級者向けとなります。
現実的なのは利率4%・月3万円投資
新NISAを用いて投資をする上で最も現実的なケースは、利率4%で月3万円ずつ投資をすることであると思われます。
上記した通り、利率2%だとリスクが小さい代わりにリターンも小さく、反対に利率7%を狙うとリスクが大きくなってしまいます。
また、月5万円以上の投資になると、経済的にかなり余裕が無ければ長期的に続けることが難しくなるため、月3万円程度が10年、20年と続けやすい金額だと思われます。
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