AGGの買い時はいつ?2つのポイントとAGGの株価や配当利回り、長期保有に向いているかどうかを初心者向けにわかりやすく解説します!
AGGとは
AGG(正式名称:iシェアーズ・コア 米国総合債券市場ETF)は、ブルームバーグ米国総合債券インデックスという指数に連動するインデックス型のETFです。
ETFとは上場投資信託と呼ばれる投資信託の一種で、証券取引所で取引される投資信託となっています。
ETFの特徴としては、投資信託に比べて手数料が低い傾向にあることや、リアルタイムでの注文が出来るといった点が挙げられます。
ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
ブルームバーグ米国総合債券インデックスとは
ブルームバーグ米国総合債券インデックスは、米国の投資適格債券市場全般を対象とした指数です。
投資適格債とは、企業が債務不履行に陥るリスクが比較的低く信用力が高い債券のことです。
もともと、債券は有価証券の中で値動きが小さい資産となりますが、より信用力が高い投資適格債は債券の中でも特に値動きが小さくなっています。
このことから、ブルームバーグ米国総合債券インデックスは値動きが小さい指数であるといえます。
AGGの株価
アメリカの大手情報サービス会社であるBloombergによると、2024年6月28日時点でのAGGの価格は97.55米ドル(日本円で約1万5,730円)となっています。
※三井住友銀行のリアルタイム為替レート(2024年6月28日 午後8時35分 現在)を使用しました。
AGGの配当利回り
Bloombergによると、2024年6月28日時点でのAGGの分配金利回りは3.71%となっています。
これは、他のETFと比較すると低い水準となっています。
AGGの配当金生活シミュレーション
続いて、AGGの分配金で配当金生活をする場合のシミュレーションを行います。
このシミュレーションでのAGGの分配金利回りを3.71 %と想定して、投資金額による年間の分配金金額を算出します(ただし税金を考慮せず、税引前の金額とする)。
シミュレーションの結果は以下の通りです。
投資金額 | 年間の分配金金額 |
100万円 | 3万7,100円 |
500万円 | 18万5,500円 |
1,000万円 | 37万1,000円 |
1,500万円 | 55万6,500円 |
2,000万円 | 74万2,000円 |
2,500万円 | 92万7,500円 |
3,000万円 | 111万3,000円 |
3,500万円 | 129万8,500円 |
4,000万円 | 148万4,000円 |
5,000万円 | 185万5,000円 |
6,000万円 | 222万6,000円 |
7,000万円 | 259万7,000円 |
8,000万円 | 296万8,000円 |
9,000万円 | 333万9,000円 |
1億円 | 371万円 |
AGGのメリット
分散投資効果が高い
分散投資とは、様々な銘柄の資産に投資をすることでリスクを分散させて投資をすることをいいます。
例えば、
・1つの銘柄だけではなく、様々な銘柄の株式を買う
・投資信託だけでなく、ETFなどにも投資をする
ことが挙げられます。
こうすることで、たとえある特定の銘柄が減配されたり、その銘柄を発行している企業が債務不履行に陥ってしまったとしても、それによる影響を小さくすることが出来ます。
AGGは米国の投資適格債市場の全般に投資をするため、リスク分散効果はとても高いと考えられます。
経費率が低い
ETFを保有する場合、保有している期間に経費(手数料)を支払う必要があります。
Bloombergによると、2024年6月28日時点でのAGGの経費率は価格の0.03%となっており、これは他の海外ETFと比較して低い水準にあると言えます。
以下で、2024年6月28日時点での海外ETFの経費率の例を挙げてみました(Bloomberg参照)。
ETF | 経費率 |
QYLD | 0.61% |
PFF | 0.46% |
SPYD | 0.07% |
BND | 0.03% |
JEPI | 0.35% |
HDV | 0.08% |
VTI | 0.03% |
VIG | 0.06% |
QQQ | 0.20% |
このように、AGGの経費率は他の海外ETFと比較して低い水準にあることが分かります。
ETFを長期的に運用していく上で、経費率はリターンに大きな影響を及ぼす要因となるため、経費率が低いことは長期保有において大きなメリットとなります。
AGGと同水準で経費率が低い他の海外ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
ボラリティが小さい
ボラリティとは、価格変動の度合いの大きさのことです。
価格変動の度合いが大きい場合、ボラリティが大きいと表現します。反対に、価格変動の度合いが小さい場合は、ボラリティが小さいと表現します。
先述した通り、投資適格債は信用力がとても高いためボラリティが非常に小さいです。
AGGは米国の投資適格債で構成されるETFであることから、AGGの価格下落リスクは小さいと考えられます。
デフレ時に価格が上昇する
株式の価格(株価)は、インフレ時に上昇し、デフレ時に下落します。
ところが債券の価格は、インフレ時に下落し、デフレ時に上昇します。
この理由としては、市場金利の動きが関係しています。以下がその仕組みを説明したものになります。
インフレ時 | 景気が上昇を迎える→過度に上昇した景気を抑制しようとする→お金の動きを抑制するために金利を引き上げる(金融引き締め)→新たに発行される債券の方が利回りが高くなるため、現在保有している債券の価格が下落する |
デフレ時 | 景気が下落を迎える→過度に下落した景気を活発化させようとする→お金の動きを促進するために金利を引き下げる(金融緩和)→新たに発行される債券の方が利回りが低くなるため、現在保有している債券の価格が上昇する |
このため、仮に米国株と同時に米国債を保有していた場合、米国のデフレ時に保有する米国株の価格が下落したときに米国債の価格は上昇するため、資産の減りを小さくすることが出来ます。
AGGのデメリット
配当利回りが低い
先述した通り、2024年6月28日時点でのAGGの分配金利回りは3.71 %となっており、これは他の海外ETFと比較して低い水準となります。
以下で、他の海外ETFの分配金利回りの例を紹介しておきます(2024年6月28日時点)(Bloombergで算出された数値を使用しています)。
ETF | 分配金利回り |
QYLD | 11.42% |
PFF | 6.20% |
SPYD | 4.88% |
BND | 3.63% |
JEPI | 7.62% |
HDV | 3.42% |
VTI | 1.41% |
VIG | 1.96% |
QQQ | 0.63% |
このように、AGGは他の海外ETFと比較して分配金利回りが低く、特にQYLDとは分配金利回りに約8%も差があります。
分配金利回りが特に高い海外ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
キャピタルゲインが小さい
AGGは米国の投資適格債で構成されるため、値動きがとても小さいです。
このことから、価格の下落リスクが小さいというメリットが生まれる反面、同時に価格が上昇しづらくなってしまいます。
そのため、AGGを売却した際に大きな※キャピタルゲインが期待出来ないということがデメリットとなります。
※キャピタルゲイン・・・資産を売却した際に得られる利益。売却価格が購入価格よりも高い場合にキャピタルゲイン(利益)となり、売却価格が購入価格よりも低い場合はキャピタルロス(損失)となる。
AGGの買い時はいつなのか?
AGGの買い時は、以下の2つの時期が買い時であると考えられます。
・景気がデフレ局面を迎えると予想されるとき
・市場の※ボラリティが大きいとき
先述した通り、米国債で構成されるAGGはデフレ時に価格が上昇するため、米国の景気がこれからデフレに向かうと予想されたタイミングがTMFの買い時であると考えられます。
また、市場のボラリティが大きい状況では金融資産の価格は上昇しやすいと考えられるため、TMFの買い時と判断することが出来ます。
ただし、市場のボラリティが大きい状況では価格の下落時には大きく下落することが考えられるため、注意が必要です。
AGGは長期保有に向いている?
AGGは長期保有に向いていると考えることが出来ます。
AGGは値動きが安定しており、分散投資効果も非常に高いため長期的な運用に向いています。また、経費率が低いことも長期保有において大きなメリットとなります。
ただし、AGGからはあまり大きな利益が期待できないため、短期間で資産を増やしたい場合は他の海外ETFも合わせて購入することがおすすめされます。
コメント