1615と1631の違いはなにか?投資をするならどっちの方が良い?それぞれのデータや特徴をもとに、わかりやすく解説します!
1615について
1615は、野村アセットマネジメントが運用するETFで、正式名称をNEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信といいます。
1615は、東証銀行業株価指数という指数に連動するインデックス型のETFです。
東証銀行業株価指数は、TOPIX(東証株価指数)を構成する銘柄を33業種に分類したとき、構成銘柄のうち、「銀行業」に該当する銘柄のみによって構成される株価指数です。
この指数は、TOPIXと同様に浮動株ベースの時価総額加重平均方式によって算出されます。
1631について
1631は、1615と同様に野村アセットマネジメントが運用するETFで、正式名称をNEXT FUNDS 銀行 (TOPIX-17) 上場投信といいます。
1631は、TOPIX-17 銀行という指数に連動するインデックス型のETFとなっています。
TOPIX-17 銀行は、TOPIX(東証株価指数)を構成する銘柄を17業種に分類したとき、構成銘柄のうち「銀行(TOPIX-17 銀行)」に該当する銘柄のみによって構成される株価指数です。
先述した東証銀行業株価指数とは分類数が異なりますが、実際には対象銘柄に大きな差はありません。
【4選】1615と1631の違いを比較!
次に、1615と1631の違いを項目別で比較していきます。
また、以下で使用する情報はBloomberg(2024年9月11日時点)を参照しています。
最低投資金額
まずは、最低投資金額を比較します。
銘柄 | 一口当たりの価格(最低投資金額) |
1615 | 303円(3万300円) |
1631 | 1万6,130円(1万6,130円) |
ETFには最低売買単位が設定されており、1615の最低売買単位は100口、1631の最低売買単位は1口となっています。
そのため、一口当たりの価格は1615の方が低くなっていますが、最低投資金額は1631の方がかなり低くなっています。
このことから、1631の方が少額投資をしたい投資家には向いていると考えられます。
分配金利回り
続いて、分配金利回りです。
銘柄 | 分配金利回り |
1615 | 3.01% |
1631 | 1.80% |
ご覧の通り、1615の方が1631よりも分配金利回りが高くなっています。
このことから、高いインカムゲインを目的とするのであれば現時点では1615の方が優れていると考えることができます。
コスト
ETFを保有している期間は、経費と呼ばれるコスト(手数料)を支払う必要があります。ETFの価格に対する経費の割合を経費率と呼びます。
銘柄 | コスト(経費率) |
1615 | 0.19% |
1631 | 0.32% |
現時点では、1615の方が1631よりもコストが低く設定されています。
ですが、どちらもETFの中ではコスト面で優れているとはいいがたいです。
コストが特に低い海外ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
分散投資
分散投資とは、異なる業種や国の様々な銘柄の資産で少額づつ運用することで、資産全体の値動きを抑えることです。
銘柄や業種、国ごとにどのタイミングでどのように値動きするのかが異なるため、様々な銘柄で運用することで大幅な価格下落リスクを逓減することが出来るのです。
以下が、それぞれの構成銘柄数です。
銘柄 | 構成銘柄数 |
1615 | ※¹65 |
1631 | ※²68 |
1631の方が1615よりも構成銘柄数が多いことから、1631の方が若干リスク分散効果が高いと考えられますが、両者であまり大きな差は感じられません。
また、1615と1631はどちらも海外ETFの中ではあまり効果的なリスク分散ができているとはいえず、実際にVTというETFは約8,000銘柄に、VTIというETFは約4,000銘柄に分散投資をします。
※¹NEXT FUNDS 「NF・銀行業(東証33)ETF(1615)」参照 ※²NEXT FUNDS 「NF・銀行(TPX17)ETF(1631)」参照
1615と1631 おすすめはどっち?
結論として、1615と1631のどちらかが明らかに優れているとは考えられないため、両者のどちらの方がおすすめかは、一概に断定することは出来ません。
以下で、それぞれがおすすめだと考えられる投資家の特徴を挙げてみました。
1615がおすすめされる投資家の特徴
・高い分配金を目的としている
・コストをなるべく低く抑えたい
1631がおすすめされる投資家の特徴
・少額で投資をしたい
1615と1631のどちらに投資をしようか迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい!
1615と1631のおすすめの運用方法
ここまで、1615と1631の特徴について解説してきました。
今回の記事での両者の比較を考慮すると、1615と1631に共通する最大のデメリットはリスク分散効果の低さであると考えられます。
そこで、以下でリスク分散に重点を置いた場合の1615と1631のおすすめの投資方法を紹介していきます。
他業種のETFにも投資をする
1615と1631は、どちらもTOPIXの構成銘柄のうち銀行業に分類される銘柄に投資をするETFです。
先述した通り、リスク分散は構成銘柄数だけでなく投資銘柄の業種も重要な要因となります。
一つの業種にのみ投資をすると、その業種の景気が下落した際に資産価値が一気に下がってしまう危険性があります。
そのため、1615と1631に投資をする場合は、他業種の銘柄で構成されるETFにも投資をしておくことでリスク分散効果を高めることができます。
海外ETFにも投資をする
1615と1631は日本株で構成されるETFです。
日本株のみに投資をする場合、日本の政治・経済状況が悪化した際に資産価値が急激に下落する可能性があります。
1615と1631のような日本株ETFに投資をするのであれば、海外ETFにも投資をすることでリスク分散効果を高めることができると考えられます。
ただし、海外ETFのような外貨で取引されるETFを売買する際には為替リスクが伴うため、注意が必要になります。
ETF以外にも投資をする
1615と1631はどちらもETFですが、ETF以外の資産にも投資をすることもリスク分散効果を高める有効な手段となります。
ETF以外の資産運用の例としては以下が挙げられます。
・不動産投資信託(J-REIT)
・個人向け債券
・外貨預金
このように、ETF以外の資産にも同時に投資をすることで、リスク分散効果を高めて資産の価格下落リスクを抑えることができます。
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