SPYDで配当金生活をする上で重要なことはなにか?SPYDのデータをもとにわかりやすく解説します!
SPYDについて
SPYDとは、正式名称がSPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETFであるETFです。
このETFは、S&P500高配当指数という指数に連動するインデックス型のETFとなっています。
S&P500高配当指数は、米国株式市場の代表的な指数であるS&P500指数の構成銘柄のうち配当利回りが上位80銘柄で構成されます。
そのため、S&P500指数よりもより大きな運用成果を期待することができます。
SPYDの上位構成銘柄
まず、SPYDの上位構成銘柄を紹介します(Bloombergを参照)。
銘柄 | 割合 |
アッヴィ | 1.39% |
AT&T | 1.33% |
コンソリデーテッド・エジソン | 1.32% |
ドミニオン・エナジー | 1.31% |
インベスコ | 1.30% |
エバーソース・エナジー | 1.30% |
フランクリン・リソーシズ | 1.29% |
エクイティ・レジデンシャル | 1.29% |
エクセロン | 1.28% |
このように、医薬や情報、エネルギーといった様々な業種の銘柄が上位を占めています。
また、どの銘柄も将来的な成長が期待できる企業となっています。
SPYDはどんなETF?

では、SPYDは具体的にどのようなETFなのでしょうか。以下で、SPYDの基本的なデータを見ていきます。
なお、以下で用いるSPYDのデータはBloomberg(2025年2月5日時点)を参照しています。
価格
ではまずは、SPYDの価格を見てみます。
現時点で、SPYDの価格は43.77米ドル(日本円で※約6,737円)となっています。
このように、SPYDの価格はETFの中では低い方であると考えられます。そのため、SPYDは少額投資がしやすいETFであるということができるでしょう。
※三井住友銀行のリアルタイム為替レート(2025年2月5日 午後0時5分 現在)を使用しました。
インカムゲイン
続いて、インカムゲインです。
インカムゲインとは、ETFを保有している際に株主に定期的に配分される利益のことで、ETFのインカムゲインに当たる利益を分配金といいます。
SPYDの分配金利回りは5.00%となっており、高配当ETFとしてはまずまずの水準にあるといえます。
しかしながら、金融資産全体で考えると5.00%の分配金利回りはかなり高い水準にあるため、SPYDへの投資によって大きなインカムゲインが期待できます。
ちなみに、分配金利回りが10%を超えるような高いインカムゲインを誇るETFについては以下の記事で解説しているのでぜひご覧ください!
コスト
次に、コストです。
ETFの運用時には、経費という手数料を支払う必要があります。ETFの価格に対する経費の割合を経費率と呼びます。
SPYDの経費率は0.07%となっており、これはETFのコスト率としてはかなり低い水準にあるといえます。
より大きな金額を投資するほど、経費率の高さはより大きな影響を与えます。そのため、SPYDのように経費率低いETFに投資をすることでより効率的にリターンを獲得することができるのです。
トータルリターン
最後に、一年間のトータルリターンを見てみましょう。
トータルリターンとは、分配金などのインカムゲインに売却益といったキャピタルゲインを加えた総合的な利益を指します。
SPYDの一年間のトータルリターンは現時点で18.70%となっています。これは、海外ETFとしてはあまり高いトータルリターンとはいえません。
このことから、SPYDはキャピタルゲインを目的とした投資には向いていないでしょう。
SPYDの配当金生活

では、SPYDで配当金生活をした場合どれくらいの収入を得ることができるのでしょうか。
以下で、SPYDの分配金利回りをもとにした配当金生活のシミュレーションを行います。なお、以下のシミュレーションでは税金を考慮しません。
投資金額 | 年間の配当金金額 |
100万円 | 5万円 |
500万円 | 25万円 |
1,000万円 | 50万円 |
1,500万円 | 75万円 |
2,000万円 | 100万円 |
2,500万円 | 125万円 |
3,000万円 | 150万円 |
3,500万円 | 175万円 |
4,000万円 | 200万円 |
5,000万円 | 250万円 |
6,000万円 | 300万円 |
7,000万円 | 350万円 |
8,000万円 | 400万円 |
9,000万円 | 450万円 |
1億円 | 500万円 |
SPYDの配当金生活で重要なことはなに?

他のETFとも組み合わせる
SPYDに投資をしながら配当金生活を行うのであれば、他の海外ETFにも投資をすることがおすすめされます。
その理由は、SPYDの分配金のみで配当金生活を行うことは厳しいと考えられるからです。
以上のシミュレーションの通り、税引前で年間500万円の収入を得るためには1億円をSPYDで運用する必要があり、あまり現実的には思えません。
そのため、SPYDよりもインカムゲインが高いETFへの投資も行うことで、より効率的に資産を増やしていくことができます。
しかしながら、高分配のETFにはデメリットも伴います。ですから、高分配ETFを運用する際には十分にリスクを理解する必要があります。
高分配ETFの運用について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
新NISAの活用
配当金生活では、新NISAの活用もカギとなります。
NISAは、2014年から開始された「少額投資非課税制度」で、NISAを活用することで投資から得られる配当金・分配金や売却益が非課税となります。
新nisaとは、2024年から開始したnisaの新しい形態で、主な変更点としては
・非課税保有期間が無制限となる
・非課税保有限度額が上昇する
等が挙げられます。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠に分かれており、それぞれの枠で異なる投資方法が実施できます。
注意点としては、米国株に投資する場合は国内とは別に米国内で10%が課税されるのですが、米国内で課税される分は新NISAで非課税にはならないです。
セミリタイアという選択も
SPYDの分配金のみで生活していくことは難しいですが、完全に仕事をやめるのではなく、部分的に仕事を減らすという選択肢もあります。これを、セミリタイアといいます。
具体的には、単純に仕事をする日数を減らすことや、仕事をやめてアルバイトやフリーランスとして週に2,3日働くといった方法があります。
セミリタイアをすることで、完全にSPYDの分配金に頼る必要がなくなるためよりハードルが下がります。
SPYDでの配当金生活を目指すのであれば、ぜひセミリタイアという選択についても考えてみて下さい!
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