生命保険で資産運用が出来る?どういう仕組みなの?
この記事では、生命保険での資産運用の仕組みや種類、メリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説していきます!
生命保険の仕組み
生命保険とは、毎月保険料を支払う代わりに、契約者に万が一のことがあったときに保険金がもらえるという制度です。
例えば、終身保険の場合は、毎月保険料を支払うことで、万が一被保険者が死亡したり高度障害を負ってしまったときに、死亡保険金や高度障害保険金がもらえます。
また、定期保険の場合は、決められた一定期間の中で、被保険者が死亡したり高度障害を負ったときに、保険金がもらえる保険です。
その他にも、死亡したり高度障害を負っていなくても、特定の病気にかかったときに保険金がもらえる生命保険もあります。
生命保険で資産運用!具体的に解説
それでは、実際、生命保険で資産運用とはどういうことなのでしょうか。
以下で、生命保険の種類別に解説していきます!
終身保険
まずは、終身保険です。
終身保険とは、毎月保険料を支払う代わりに、被保険者が死亡したり高度障害を負ったときに、保険金がもらえるという制度です。
この保証は、被保険者が生きている限り一生涯続きます。
また、もらえる保険金は払込保険料(それまでに支払ってきた保険料の総額)よりも高額になります。
しかし、いくら高額な保険金をもらえるとしても、死んでしまったり高度障害を負うまでもらえないのであれば、資産運用とはいえません。
実は、終身保険には解約返戻金というものがあります。
解約返戻金とは、保険を途中で解約したときにもらえるお金のことです。
終身保険では、保険料を毎月払い続けると同時に、解約返戻金の額も上がっていきます。
そして、終身保険には保険料の払込期間(保険料を払い続けなければいけない期間)が決められており、この期間が過ぎてから保険を解約すると、払込保険料の金額以上の解約返戻金を得ることが出来るのです。(絶対ではありません)
これが、終身保険を使った資産運用ということです。
養老保険
養老保険とは、一定期間内に死亡したり高度障害を負った場合に死亡・高度障害保険金をもらい、もし一定期間を過ぎた時点で生きていた場合、満期保険金をもらえるという保険です。
終身保険では死亡したり高度障害を負ったときにのみ保険金を得られるので、養老保険の方が保障が手厚いですね。
その代わり、毎月支払う保険料も高めです。
養老保険では、「〇〇年間」「〇〇歳になるまで」といったように満期が設定されており、その満期を過ぎた時点で生きていれば満期保険金をもらえます。
そして、この満期保険金は、払込保険料(それまで払っていきた保険料の総額)よりも高くなります。
これが、養老保険を利用した資産運用です。
変額個人年金保険
まず、個人年金保険とは、一定の年齢になると、年金の支給が始まる、個人で自由に加入できる年金制度です。
そして、変額個人年金保険とは、支払った保険料をプロに運用してもらうことで、その運用実績に基づいて*解約返戻金や受取年金額が上下するという年金保険です。
そのため、もし保険料の運用がうまくいって利益を出すことが出来れば、年金の支給が始まる前に解約しても、それまで払ってきた保険料より大きな金額の解約返戻金を得ることが出来るのです。
ただし、これはあくまで運用がうまくいった場合の話であり、もし運用がうまくいかなければ、元本割れをする(払込保険料>解約返戻金となる)可能性もあります。
*解約返戻金・・・保険を途中で解約したときにもらえるお金のこと。
変額保険
変額保険とは、支払った保険料をプロが運用し、その運用実績によって解約返戻金や保険金が上下する保険です。
変額保険には終身型(終身保険のように保障が一生涯続き、死亡・高度障害保険金がある)と、有期型(満期が決められており、生きて満期を過ぎると満期保険金がもらえる)があります。
運用の仕組みは、先ほど説明した変額個人年金保険と一緒です。
運用がうまくいけば、払込保険料(それまで支払ってきた保険料の総額)以上の解約返戻金をもらうことができます。
また、変額保険の場合は、死亡保険金に最低保証がついてますが、解約返戻金や満期保険金には最低保証は付いていません。
それに加えて、運用の成果によっては元本割れする(払込保険料>解約返戻金となる)可能性もあるので注意が必要です。
外貨建て保険
外貨建て保険というのは、保険料を外貨(外国の通貨)に換えて運用し、保険料の支払いや、解約返戻金・保険金の受取もドルなどの外貨で行う、保険です。
要するに、支払った保険料を、保険会社が外貨に換金して外国株や外国債の売買に使うため、そのために保険料を外貨に換えて支払い、また解約返戻金・保険金をその外貨で受け取るのです。
一般的に、外貨建て保険の保険料は円建て保険に比べて割安です。
なぜなら、外貨の方が債券の金利が高いため、より大きな利益を期待できる分、保険会社にとっては高額な保険料を支払ってもらう必要がないからです。
それに加えて、円とドルを交換するときの為替レート(1円で何ドルに交換できるのかを示す比率)の状況によっては、保険料を支払うときや解約返戻金・保険金を受け取るときに、為替で得をすることが出来ます。
例えば、保険料をドルに換えて支払うとき、円高であれば、ドルに交換する日本円が少額ですむようになるのです。
また、ドルで保険料を運用していたとき、解約返戻金や保険料を受け取るときにドルを円に換金する際、円安になっていれば円でより高額な金額を受け取ることが出来ます。
外貨建て(ドル建て)の資産運用や、為替について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
【投資】円建てとドル建てどっちがいい?初心者向けに徹底比較!
しかし、逆に言えば、円をドルに、ドルを円に換金するときに、為替の状況によっては損をしてしまう可能性があるため注意です。
生命保険で資産運用をするメリット
生命保険での資産運用についての解説を終えたところで、ここからは生命保険で資産運用をするメリット・デメリットを紹介していきます。
万が一のときの保障になる
この記事では、生命保険で”お金を増やす”ことについて解説してきました。
しかし、生命保険とはそもそも被保険者に万が一の事態があった場合のために備えておくためのものです。
生命保険に加入しておけば、資産運用をしながら万が一のときのための保障にもなるのです。
知識がなくても始めやすい
株やFX投資といった資産運用には、投資に関する知識と経験が必要になります。
なぜなら、株の売買などを自分でしなければならないからです。
ですが、生命保険での資産運用の場合、保険料を使って資産の売買をするのは保険会社であり、私たち利用者には知識や経験が必要ありません。
そのため、生命保険は投資初心者でも始めやすい資産運用となっています。
インフレに強い
インフレとは、簡単に言えば物価が上がりお金の価値が下がることです。
インフレ・デフレについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!
インフレ・デフレとは?どっちがいい?仕組みと影響をわかりやすく解説
インフレが起こると、物価が上がります。
物価が上がるということは、モノを買うのにより多くのお金が必要になるということです。
ですが、インフレが起こると、物価があがると同時に金利や株価も上がります。
金利や株価が上がれば、預金に付く利息も多くなり、また株の売却によって得られる利益(売却益)も大きくなります。
そうなると、保険料の運用でより大きな利益を生むことが出来るため、その分解約返戻金や保険金が大きくなりやすくなります。
このように、生命保険で資産運用をすることで、たとえインフレになって物価が高くなったとしても、運用でより高い成果を出すことが出来るのです。
所得税の生命保険料控除がある
生命保険に加入すると、毎月保険料を支払います。
このとき、支払った保険料の金額に応じて、所得税額を減らすことが出来るのです。
具体的には、生命保険・個人年金保険・介護医療保険の三つに分類されており、それぞれに払った保険料の金額に応じて、その年の所得が減額される(所得税額が減額される)という仕組みです。
なお、生命保険・個人年金保険・介護医療保険のそれぞれに対し、最大で4万円づつ(合計12万円)の所得控除になります。
仮に、生命保険にのみ加入している場合は、所得控除の金額は最大で4万円(収入の内の最大4万円に所得税がかからなくなる)となります。
また、この三つの保険にすべて加入した場合、所得から控除できる金額は最大で12万円(所得税がかからなくなる金額は最大で12万円)ということです。
なお、この保険料控除を受けるには、この三つの保険に年間各8万円の保険料を支払っておくことが条件となります。
生命保険で資産運用をするデメリット
それでは次に、生命保険で資産運用をするデメリットを紹介していきます。
長期加入が必要
生命保険でお金を増やすには、生命保険への長期加入が必要となります。
なぜなら、解約返戻金は保険料の支払い期間が長くなるほど高額になっていくので、加入してから短期間で解約してしまうと、受け取れる解約返戻金がそれまでに支払った保険料よりも少なくなってしまう(元本割れ)可能性があるからです。
また、変額保険などの場合でも、解約するタイミングが早くて、その時点でまだ十分に運用成果を出せていなければ、その分解約返戻金や保険金も少額になってしまいます。
そのため、生命保険で資産運用をする場合は、生命保険に長期間加入する必要があるのです。
掛け捨てタイプの保険よりも保険料が高め
掛け捨てタイプの保険とは、定期保険のように、一定期間のみの保障で、解約返戻金や満期保険金がない保険のことです。
解約返戻金がなければ、資産運用をすることが出来ません。
そして、一般的な解約返戻金がある保険の保険料の方が、掛け捨てタイプの保険の保険料よりも高い傾向があります。
そのため、生命保険で資産運用をする場合は、比較的高めの保険料を支払う必要があるのです。
元本割れのリスクがある
元本割れとは、解約返戻金よりも、それまで支払ってきた保険料の方が高くなってしまうことです。
変額保険や変額個人年金保険は、運用成果に応じて解約返戻金や保険金の金額が変動します。
そのため、運用で失敗してしまうと、解約返戻金や保険金が少額になってしまい、結果的に元本割れを引き起こす可能性もあるのです。
ちなみに、変額保険では、死亡・高度障害保険金には最低保証がありますが、解約返戻金と満期保険金には最低保証がないため、元本割れを起こしてしまう可能性があるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
生命保険を利用した資産運用には様々な種類があります。
ぞれぞれにメリット・デメリットがあるので、始める際には十分に考えてからの方がいいでしょう。
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