変額保険はやめた方がいいのか?資産運用には向かない?
変額保険はやめた方がいい理由やデメリットを初心者向けに解説します!
変額保険とはなにか?
変額保険とは、支払った保険料を保険会社に運用(株の売買などを)してもらうことで、その運用成果に応じて*解約返戻金や保険金の金額が変動する保険です。
変額ではない通常の終身保険などの場合は、解約返戻金は一定で増えていき、保険金の金額が大きく変わることはありません。
*解約返戻金・・・保険を途中で解約したときに受け取れるお金
変額保険の種類
変額保険には、終身型と有期型があります。
終身型は、保障が一生涯続く変額保険で、保険料の払込期間(保険料を支払わなければならない期間)が終わったあとも、死亡したり高度障害を負ったときに死亡・高度障害保険金が支払われます。
有期型は、保障が一定期間のみ続く変額保険で、一定期間の間に死亡したり高度障害を負った場合にのみ保険金が支払われ、その期間外には保険金は支払われません。
ですが、有期型の場合、一定期間を過ぎても生きていれば満期保険金が受け取れます。
死亡・高度障害保険金や満期保険金も、解約返戻金と同じように、運用成果に応じて金額は変動します。
変額保険では、運用実績によって解約返戻金や保険金が変動しますが、死亡・高度障害保険金には最低保証があります。
しかし、解約返戻金や有期型の満期保険金には最低保証がないため、運用がうまく行かなければマイナスになってしまう可能性もあるので注意が必要です。
変額保険は資産運用としても使われる
変額保険では、支払った保険料は、株や債券の売買などに使われ、それで得られた利益の金額に応じて解約返戻金や保険金の金額が上下します。
保険金を受け取れるのは、死亡したり高度障害を負ったときや、有期型であれば定められた期間が終了してからです。
しかし、解約返戻金は、保険を途中で解約したときにいつで受け取ることが出来ます。
そのため、保険料の運用がうまくいけば、その時点で変額保険を解約すると、それまでに支払ってきた保険料よりも高額な解約返戻金を受け取ることが出来るのです。
すなわち、お金が増えて返ってくるのです。
この仕組みを使って、変額保険で資産運用をすることが可能なのです。
変額保険はやめとけ!デメリットは?
変額保険を利用することで、将来万が一のことがあった場合の保障を確保できるのと同時に、資産運用としても使うことが出来ます。
しかし、変額保険を利用する際にはデメリットがあります。
元本割れのリスクがある
変額保険では、保険料の運用成果に応じて解約返戻金や保険金の金額が上下します。
これにより、株や債券の売買などで大きな利益を出すことが出来れば、解約返戻金や保険金の金額が上がり、払った保険料よりも高額なお金を受け取ることが出来ます。
しかし一方で、運用がうまくいかなければ、それまでに支払ってきた保険料の金額よりも、解約返戻金や保険金の金額の方が少なくなってしまう(元本割れ)可能性もあります。
死亡・高度障害保険金には最低保証があるため、どれだけ運用に失敗しても、最低額は支払われます。
しかし、資産運用に必要な解約返戻金や満期保険金には最低保証がないため、マイナスとなってしまう場合もあります。
景気に大きく左右される
変額保険の解約返戻金や保険金の金額は、保険料の運用成果に応じて変動します。
そして、その運用に大きく関わってくるのが景気です。
インフレが起これば金利や株価が上がり、預金に付く利息が多くなり、また株の売却によって得られる利益(売却益)は小さくなりますが、債券の利回りは下落します。
反対に、デフレが起これば、金利や株価は下がるため、利息や株の売却益は小さくなりますが、債券の利回りは上がります。
このように、景気(インフレ・デフレ)によって保険料の運用成果は大きく変わってきます。
ですが、将来的な景気の動きを予測することは難しいため、株や債券の売買などで確実に利益を出すことは出来ません。
そのため、変額保険で、確実に高額な解約返戻金や保険金を受け取ることは難しいのです。
変額保険のメリット
それでは、変額保険を利用するメリットはあるのでしょうか。
いくつかあるので紹介していきます。
運用成果次第で解約返戻金や保険金が増える
変額保険では、保険料の運用成果に応じて解約返戻金や保険金の金額が変動します。
運用がうまくいって大きな利益を出すことが出来れば、その分高額な解約返戻金や保険金が支払われます。
もちろん、先ほども説明した通り、運用で損失を出してしまう可能性もありますが、うまくいけばお金は増えて返ってきます。
生命保険料控除がある
変額保険に加入すると、毎月保険料を支払います。
そのとき、支払った保険料の金額に応じて、*所得控除(=生命保険料控除)を受けることが出来るのです。
具体的には、生命保険料控除は生命保険・個人年金保険・介護医療保険の三つに分類されています。
それぞれに分類される保険に加入していると、その保険に支払った保険料の金額に応じて、三つの保険で年間最大各4万円の所得控除を受けることが出来るのです。
なお、この保険料控除を受けるには、年間で最低各8万円の保険料を払う必要があります。
変額保険は、このうちの生命保険に分類されるため、変額保険に加入して保険料(年間最低8万円)を支払えば年間で最大4万円の所得控除を受けることが出来ます。
死亡・高度障害保険金には最低保証がある
変額保険で支払われる死亡・高度障害保険金には最低保証があります。
そのため、保険料の運用で損失を出してしまったとしても、死亡・高度障害保険金は確実に支払われます。
インフレ対策になる
インフレとは、簡単に言えば物価が上がりお金の価値が下がることです。
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インフレ・デフレとは?どっちがいい?仕組みと影響をわかりやすく解説
インフレが起こると、物価が上がります。
物価が上がるということは、モノを買うのにより多くのお金が必要になるということです。
ですが、インフレが起こると、物価があがると同時に金利や株価も上がります。
金利や株価が上がれば、預金に付く利息も多くなり、また株の売却によって得られる利益(売却益)も大きくなります。
そうなると、保険料の運用でより大きな利益を生むことが出来るため、その分解約返戻金や保険金が大きくなりやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
変額保険はやめとけといわれる理由は、保険料を株の売買などで運用していく中で、運用がうまくいかずに解約返戻金や満期保険金が少額になってしまう可能性があるからであると思われます。
結論としては、
保障というよりは、あくまで資産運用を目的とする人に変額保険が向いているといえます。
なぜなら、万が一のことがあった時のために備えておきたいのであれば、変額保険ではなく定額保険に加入しておくことで、より確実な保障を得ることが出来るため、わざわざ変額保険に加入する必要はありません。
その一方で、投資という面からみると、生命保険の場合、株の売買などを自分でせずにプロに任せることが出来るので、その点では優れていると言えます。
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